研究課題/領域番号 |
20K00202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
安松 みゆき 別府大学, 文学部, 教授 (40331095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ドイツ体制派美術と南画壇 / 美術と政治 / ドイツ体制派美術の絵画の特徴 / 風景画と技術 / アウトバーンと風景画 / ナチスドイツの郷土と美術 / ナチスドイツの体制派美術の評価の変遷 / 1930~40年代のドイツ美術の評価 / 体制派美術 / ドイツ近代美術 / 風景画 / アウトバーン / 南ドイツと風景 / ナチス時代の美術 / ナチスドイツの美術 / 美術雑誌『万人の美術』 / 退廃美術 / 南ドイツの風景 / 大ドイツ美術展覧会 / ドイツ第三帝国の風景画 / ドイツ第三帝国の画家 / 南ドイツの画壇 / 山岳アート / アルプス の風景とナチス / 大ドイツ美術展 / 女性の裸体像 / 南ドイツ画壇 / 美術アカデミー / ナチスドイツの体制派美術 / 地域と美術動向 / ミュンヘンアカデミーと絵画 |
研究開始時の研究の概要 |
ナチスドイツ公認の体制派美術の特色が、南ドイツのアカデミックな画壇から生じたものであり、それによって権威づけられた、という仮説をたて、美術作品の地理的帰属に注目するという独自な方法による検討を行って、仮説を証明することがこの研究の目的である。 この検討によって、1930年代、1940年代のドイツ美術の歴史を事実確認する立場から再構築するとともに、ナチスによる美術政策の手法と、それに取り込まれて体制派となった画家たちの存在を明らかにする。
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研究成果の概要 |
今回の研究は美術史の歴史的位置付けがいまだ困難なナチスドイツの体制派美術の実情を、作品や画家をとおして明示することを目的としたが、コロナ禍のため現地資料調査を前提とした画家等の研究方法を変更せざるを得なかった。日本で入手可能な電子データで考察し、最終年に現地調査で入手した資料等を合わせて検討した。その結果、想定どおり体制派美術の中で南ドイツ画壇が重視されていることを明示し、予定になかったアウトバーンに注目した考察でも、同様の結果が得られた。また体制派美術再考に関して現地の研究者より直接話を聞き、その位置付けの変遷を明示した。まだ一部残された考察は今年度中にまとめて学会などで公開する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究成果として、従来の研究がドイツの体制派美術と政治との結びつきや帰属の問題が中心だったのに対して、一歩踏み込んで、ナチスの幹部等の故郷である南ドイツ画壇の保守的な美術が根幹となって制作された美術が体制派美術の主流を形づくった事情を明示し、ナチス下の美術統制手法の一端が把握できた。美術史では負の評価を前提としても、美術の実情を細やかに把握する必要があり、今回の研究成果が日独共にそれに貢献する結果となった。またドイツ、オーストリアの政治と美術の関係について歴史的位置付けを試みている研究者から話を聞き、負の評価に陥った美術動向を公に議論し、展示する方法について、今後の指針を得ることができた。
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