研究課題/領域番号 |
20K00213
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 愛知県立芸術大学 (2021-2022) 東京藝術大学 (2020) |
研究代表者 |
金子 智太郎 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (20572770)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 美術における音 / 戦後日本美術 / アーカイヴ / 音響技術 / サウンド・アート / サウンド・スタディーズ / 音 / 現代美術 / 日本美術 / サウンドアート / アートプロジェクト |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は近年、音を使用する過去の美術作品を調査し、作家に再展示を依頼するプロジェクト「日本美術サウンドアーカイヴ」に取り組んでいる。現在このプロジェクトは1970年代の作品に焦点を合わせ、論考の発表、展覧会の開催、録音物などの制作を行ってきた。このプロジェクトにもとづく本研究は、美術における音の歴史の実践的かつ体系的な調査であり、自身の研究を発展させ、主に70年代の日本美術と音の関わりを明らかにしようとする。
|
研究実績の概要 |
戦後日本美術における音をめぐる本研究は、一次資料の調査にもとづく発見的なアーカイヴであり、研究成果として展覧会の開催と論考の執筆を行う。昨年度までと同様、新型コロナウイルス感染症の広がりによる調査の困難は続いたものの、今年度は長期の調査にもとづく展覧会を開催し、これまでの研究を概観する論考を発表できた。 実現できた調査、成果発表は以下の通りである。上田佳代子、堀えりぜ(渡辺恵利世)、堀浩哉、水上旬による1970、80年代作品の一次資料調査。調査の成果発表として次の展覧会の開催、論考の発表を行った。展覧会「日本美術サウンドアーカイヴ──上田佳世子、渡辺恵利世《トートロジー》1973年」。本展覧会は作家が再制作した作品、作家の新作、パフォーマンスの再演、資料の展示などからなる。論考「1970年代の日本美術における音」(『あいだ』)。 加えて、70年代日本美術と音の関わりの背景となる、同時代の音響技術文化の研究を行った。その成果の一部として論考「Arranging sounds from daily life: Amateur sound-recording contests and audio culture in Japan in the 1960s and 1970s」が、アジア圏の文化をめぐるサウンド・スタディーズ・アンソロジー『Asian Sound Cultures: Voice, Noise, Sound, Technology』に掲載された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高齢の作家に対するインタビューや、海外の研究者との共同調査などを予定していた本研究は昨年度までと同様、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた。また、研究拠点の移転のために、関東での調査はやや困難になった。 以下の調査は予定を延期した。鶴岡政男、松澤宥、嶋本昭三、ヨシダミノル、水上旬、野村仁、永松勇三、吉田秀樹、カワスミカズオによる作品の一次資料調査。70年代日本の音響技術文化をめぐるインタビュー調査も実施を見送った。単行本の執筆も遅れている。 延期していたシカゴ美術館付属美術大学教員Louis Mallozziとの日本のサウンド・アート共同調査、レンヌ第二大学講師Anne Zeitzとの藤原和通作品の共同調査には着手することができた。しかし、いまだ海外での成果発表や出版の見通しは立っていない。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度はこれまでの研究のひとつの総括となる単行本の執筆を中心に研究を進める。その成果の一部として「日本美術サウンドアーカイヴ」の活動を紹介するレクチャーを、名古屋で活動するアートプログラム、Minatomachi Art Table, Nagoyaとの共同企画として開催する。 加えて、シカゴ美術館付属美術大学教員Louis Mallozziとの日本のサウンド・アート共同調査、レンヌ第二大学講師Anne Zeitzとの藤原和通作品の共同調査を進め、研究成果の英語による発表に力を入れる。サウンド・スタディーズ、サウンド・アート関連の書評集の編著、野村仁の初期作品をめぐる論考の執筆、京都精華大学などで講師を務めるdj sniffとの日本の音響技術文化をめぐる共同研究なども手掛ける予定である。
|