研究課題/領域番号 |
20K00229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小川 太郎 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (50389962)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 夜光貝 / 煮貝技法 / 漆芸 / 螺鈿 / 工芸材料 / 煮貝 / 伝統工芸 |
研究開始時の研究の概要 |
漆の加飾技法として知られる螺鈿だが、最近材料の貝を加工をする職人が激減している。また材料の小型化、減少も良く耳にする。実際に現状がどの様になっているのかを、調査を通し明らかにする。 また、伝統工芸の材料が枯渇するのは、次世代継承者の育成においても大きな痛手になる。そこで、江戸時代に沖縄で盛んにおこなわれて来た「煮貝技法」に着目し、良質の材料が得られないかと考えた。一度滅びてしまったこの技法の復元に取り組んで来られた沖縄の宮城氏に助言をいただき、暴露実験などを繰り返し煮貝技法の白化現象解決にも取り組んでいきたい。
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研究実績の概要 |
沖縄県浦添市美術館にて、夜光貝の煮貝技法ではないかと思われる作品(過去の修復調査をもとに、全方面からの発色が見られる可能性のある作品を選出)を熟覧させていただいた。 プロセスが分からない過去の作品から素材の製造技法を選定するのは非常に難しい事がわかった。どの様なプロセスで作られたかは置いておいても、結構な大きさの貝が「割り」も入れずに貼ってあることに驚かされた。これらが煮貝技法で得た貝だと仮定すると、煮貝技法で生じてしまう素材の反りをどの様に平にし、器物に接着したのであろうか?膠での接着(熱を用い貝を圧着する)が容易に想像できるが、湿気が高く高温な沖縄では適した素材であると考えにくい部分もある。夜光貝の上に加飾として用いられた彫りについても貼られてから彫られたのか否かなど、実際のものを見ることによって新たな課題、疑問を得る事ができた。 また、中城にて夜光貝の煮貝技法の研究を進めて来られた宮城清さんを訪ね、お話を伺った。 貝を叩く頻度、方向、温度、使っている道具など、煮貝技法について様々聞かせていただいた。また、古文書などから見られる可能性についても伺う事ができた。これによって、今後より良い材料をどの様に作っていくか試行錯誤したい課題が見つかったので、今年度温度計測などもしながら再度、煮貝の制作を行なっていく。 夜光貝の漁獲量を調べに沖縄県漁業協同組合を訪れた。一昨年より那覇地区漁協が独立したとの事であった。現場の人の感覚では生息数が減ってきているといった実感は無いとの話であったが、夜光貝の取れ高のデータを頂けるよう話を進めている。那覇地区漁協さんからはデータをいただいている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
暴露試験に用いる材料を選定していたが、試験の前提となる材料では無かった。 日本工芸会に所属している作家から、以前煮貝技法で制作した作品の貝が白化現象を起こしたと聞いていたので、その材料を分けてもらったのだが、どうやら頂いた微塵貝が煮貝技法で作った貝ではない事が判明したため、実験が止まっている。 試験ていたを作成し、磨き上げた後明らかになったのだが、煮貝技法で作成した貝の特徴である全方向の発色が見られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
夏に煮貝技法を用い、薄貝を作る。その際には温度計測などデータを取り、大きな貝のまま加飾材料として使う方法を検討する。電子顕微鏡での観察、暴露試験なども進めていく。 可能であれば、韓国にて螺鈿材料の製作環境の変化なども調査出来ればと考えている。
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