研究課題/領域番号 |
20K00233
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
|
研究機関 | 日本大学 (2021-2023) 都留文科大学 (2020) |
研究代表者 |
志村 三代子 日本大学, 芸術学部, 教授 (20409733)
|
研究分担者 |
名嘉山 リサ 和光大学, 表現学部, 准教授 (80455188)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 日本映画 / ハワイ / 日系人 / 日米関係 / イメージ / 日系 / 表象 / 歌謡映画 / 戦争映画 |
研究開始時の研究の概要 |
歌謡映画の分析を通じて、観光地としてのハワイのイメージの源流を究明する。 ハワイを描いた映画/映像は、①美空ひばりら著名人が主演する歌謡映画②日系人の歴史に言及した映画に分類される。①は、すべて当時の人気歌手が主演し、劇中で主題歌を歌う歌謡映画であり、主題歌と映画のメディアミックスによってハワイのイメージを日本国内で流布していった。本研究では、シナリオ/映像分析はもとより、人気歌手のハワイでの興行記録と日系人の関与などの当時の記録を調査することによって、ハワイのガイドブックやテレビ番組の報道以前に構築されたハワイのイメージの源流を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、日本映画における1950年代から60年代に制作されたハワイを舞台とした作品を通じて、日系一世とその子供である二世が日米開戦を契機にどのような試練と変化を経験し、それを映画がどのように描写してきたかを考察した。具体的には、二つの主要な映画である『ハワイの夜』(1953年)と『山河あり』(1962年)における最も顕著な違いは、日米開戦を契機とした移民一世とその子供たちである二世の間の葛藤が『ハワイの夜』では示唆される程度であったのに対し、『山河あり』では明確に描かれ、その対立が物語を進行させる大きな要因となっていたことが確認できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
1950年代から60年代に製作された日本映画を通じて、日系一世と二世の試練と変容を分析することで、異文化交流の複雑な側面を明らかにすることができる。また、日米開戦という重大な歴史的出来事を背景に、移民一世と二世の関係性を映画がどのように描写してきたかを明らかにすることは、当時の社会的状況や価値観を理解する手がかりとなる。さらに、『ハワイの夜』と『山河あり』の二つの映画を比較することで、同じテーマを異なる視点から描いた作品の特徴と違いを明確にし、映画製作の技法やナラティブ構造の理解を深めるだけでなく、同時期の映画におけるテーマの進化や変遷を捉える上でも重要である。
|