研究課題/領域番号 |
20K00245
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
松嶋 雅人 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 部長 (10321548)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 高精細複製絵画 / 展示デザイン / 照明環境 / 近世絵画史 / 屏風 / 展示照明 |
研究開始時の研究の概要 |
日本絵画が制作された当時、どのように環境で受容されていたのかを検討しながら、現 状の照明環境とともに、先進的照明機器によって復元された<歴史的な光>と、さらにはか つて使用されていた<燈火光>を高精細複製絵画に対して照らすことで、様々な照明状況を 把握し、絵画の鑑賞並びに、文化財の展示手法の枠組みの拡張をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究課題の指標とすべく、文献資料と近世以前の絵画資料により、照明環境の復元的考察を行いつつ、行燈等を描写した近世における屏風作品、浮世絵版画、肉筆浮世絵版画を取り上げて、その設置場所、光源の高さなどについての情報集約を行った。また国内外の展示施設などで、屏風絵を中心とした日本絵画の展示環境を先進的照明方法、手法の現地調査を実施した。 ・下記の機関において、照明環境に関わる資料の収集を行った。京都国立博物館(京都市)、赤間神宮宝物館(下関市)、下関市立美術館(下関市)、京都文化博物館(京都市)、首里城公園内正殿復元エリア(那覇市)などでは照明環境状況を視察した。とくに展示室のケース内展示ではなく、文化財が露出展示されている事例を可能な限り調査し、屏風絵を露出展示している施設は、ケース内展示となる展示施設とは全く様相の異なる照明環境であるため、その調査を必須なものと考え実施した。その事例研究にあわせて、照明に関わる絵画に対する歴史的考察の方法、照明機器の保存科学的な問題点も浮き彫りにすべく考え、最終年度である本年度は下記の研究成果を得た。 ・高精細複製絵画に対して、各種の照明実験を行った上で、2023年中に東京国立博物館本館特別3室にて実験結果を活かした掛軸、屏風作品の高精細複製絵画の展示を実施した。あわせて国宝「松林図屏風」高精細複製作品を東京国立博物館敷地内九条館にて日中間10時間程度の露出展示を行い、タイムプラス動画撮影を実施して、屏風絵の構図的意図を検証することができた。 ・「横尾忠則 寒山百得」展(東京国立博物館・2023年9月~12月)、ならびに特別展「本阿弥光悦の大宇宙」(東京国立博物館・2024年1月~3月)において、油彩画の露出展示における照明効果や大画面の扁額について、照明の視覚的効果を検証して、その造形的特色を考証することができた。
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