研究課題/領域番号 |
20K00257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 国立音楽大学 |
研究代表者 |
中田 朱美 国立音楽大学, 音楽学部, 准教授 (10466964)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ソヴィエト・オペラ / 歌劇場 / 暗黙知 / ソヴィエト音楽 / ソ連 / 文化政策 / 脱冷戦イデオロギー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、脱冷戦イデオロギーを可能にする新しいパースペクティヴから、ソヴィエト・オペラを軸に20世紀ソヴィエト音楽文化を再考することである。具体的には、まずモスクワとサンクト・ペテルブルグの4つの国立歌劇場の上演状況を調査・データ解析する。続いて、そこから浮かび上がる様々な関連項目を相関的に考察し、人々が日常的に了解していた暗黙知として、上演されたソヴィエト・オペラとその実際的影響、各劇場・時局の特異性・連動性などを明らかにする。
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研究実績の概要 |
2022年度は前年度に引き続きコロナならびにロシアによるウクライナ侵攻の影響を受け、ロシアでの資料調査が実施できない状況が続いたため、まず2022年8月に北海道大学スラブ研究センターでの資料調査を行った。しかしながら最終年度を迎えるにもかかわらず本研究で計画していた現地調査の初動すら叶わぬ状況はあまりに残念であったため、渡航経験者、ロシア国内の知人、旅行社に市内の様子を確認した上で、2023年3月中旬にサンクト・ペテルブルグに渡航し、短期間ではあったが資料調査を行った。 今回の渡航目的は、ソ連時代のオペラ上演状況調査の一環として、レニングラードの上演状況を調査することであった。本研究において、モスクワのボリショイ劇場については上演状況調査を概ね完了しており、当時、ボリショイ劇場が当局の要衝として規範となるレパートリーを取り上げていた様子を確認している。一方、こことは対照的に、レニングラードのミハイロフスキー劇場(旧マールイ・オペラ劇場)は新奇的な演目を扱い、挑戦的な運営を行っていたことで知られる。そこで今回の現地調査ではミハイロフスキー劇場の上演状況を対象とし、本劇場と国立ロシア図書館諸部門での資料調査を行った。 まずミハイロフスキー劇場では演目毎の上演記録目録カードを閲覧させていただき、基盤となる情報を確認することができた。しかしここには1930年代以前の情報が含まれていなかったため、別途、当時の新聞・雑誌などから補填する作業が不可欠となった。そこで続いて、国立ロシア図書館にてこの時期に刊行されていた定期刊行物数種を現物やマイクロフィッシュで確認したところ、短いスパンで定期刊行物が創刊・廃刊・統廃合されていたほか、同一誌の掲載内容も頻繁に変更されていた様子が確認された。俯瞰にはいまだ時間を要するものの、一連の資料によりようやく緒に就いたところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
概要に記した通り、コロナウイルスとウクライナ侵攻による情勢悪化のため現地調査が叶わず、年度末にようやく初となる現地調査が実現したところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は収集した情報を精査、データ化するとともに、次回の資料調査を計画し、引き続き、ミハイロフスキー劇場を中心としたオペラ上演状況の把握に努める。
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