研究課題/領域番号 |
20K00264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
土田 耕司 就実短期大学, 幼児教育学科, 教授 (10369770)
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研究分担者 |
尾崎 公彦 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (40270003)
荊木 まき子 就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (00781048)
藤嶋 由 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (50351945)
橋本 勇人 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50341144)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | アール・ビリュット / 知的障害者アート / 就労支援事業 / 障害者総合支援法 / 知的障害者福祉 / アール・ブリュット / 障害者アート / 知的障害者 / 知的障害者創作活動 / 知的障害者創作活動支援 / アールブリュット / 創作活動 / 環境支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、わが国の知的障害者を対象とした障害者アートの創作活動等の現状を調査研究する。 研究内容としては、障害者アートの創作活動を様々な環境的側面から調査し、障害者(知的障害者)アーティスト当事者と、そのアーティストの生活支援および創作活動の支援を行っている支援者の双方に対して調査をする。①アーティスト当事者に対しては、主体性に基づいた創作活動であるのか。②支援者に対しては、倫理的な支援体制並びに法的な作品管理がされているのかを調査する。 これらの調査から、知的障害者アートの創作活動に対する創作環境の現状を明らかにし、今後のわが国の障害者アート発展の方向性を見出す。
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研究実績の概要 |
知的障害者のアート作品に、主に「アール・ブリュット」等という名称をわが国で用いられている背景には、「アール・ブリュット」として知的障害者アートが社会で注目されることで、実際には美術的な評価に基づいているといえなく、多くは社会福祉的な背景から展示会等が行われていると考えられる。これらの背景から、障害者アートとイコールではないということが確認できた。 次に、知的障害者アートの創作活動と創作作品を取り巻く背景には、障害者福祉の実践による関係が強く影響しており、そこには、知的障害者と彼らの作品を支える支援者たちには、「①知的障害者が作品を制作する過程に意義と価値を見出す支援者」、「②知的障害者生息作品から福祉理念のために活動する支援者」、「③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」の、主に3つのパタンの人たちの支援者に分類することができた。 さらに、その作品は「①知的障害者が純粋に創作する作品」、「②高い芸術的評価を受けた作品」、「③自立支援のによる就労支援として制作された作品」に分類することができた。 特に、「③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」と、「③自立支援による就労支援として制作された作品」にアール・ブリュットという名称をわが国では主に用いられていることが少なくない。また、「障害者アート」というべき付加価値を作品に付けることで、新しい芸術の分野を社会に認知させ作品の価値を求めているとも画が得られなくないつ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「知的障害者アート実践のインタビュー調査」で先進的な実践活動をしている施設や機関への調査を行っていたが、残念ながら今年度も新型コロナウイルス感染症の影響で予定通りには進展していない。 さらに、調査過程でわが国の障害者福祉施策の影響で、知的障害者の就労支援事業として障害者アート作品の制作が少なからず行われている実態がみられた。そこで、「①知的障害者が作品を制作する過程に意義と価値を見出す支援者」と「③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」にインタビュー調査を実施しそれぞれの考えや思いを聞くに至った。 「①知的障害者が作品を制作する過程に意義と価値を見出す支援者」には、知的障害者の療育や生きがい、さらには未知の能力と可能性等が知的障害者支援の理念等が多く語られた。また、③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」からは、障害者総合支援法による障害者の自立支援としての就労支援としての意義が聞かれた。
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今後の研究の推進方策 |
現在わが国では、主に知的障害アート作品は「①知的障害者が純粋に創作する作品」、「②高い芸術的評価を受けた作品」、「③自立支援による就労支援として制作された作品」に分類することができた。 特に、「③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」と、「③自立支援による就労支援として制作された作品」にアール・ブリュットという名称をわが国では主に用いられていることが少なくない。また、「障害者アート」というべき付加価値を作品に付けることで、新しい芸術の分野を社会に認知させつつもある。 そこで、「①知的障害者が作品を制作する過程に意義と価値を見出す支援者」と「③知的障害者の自立と社会経済活動に役立てようとする支援者」にインタビュー調査を実施しそれぞれの考えや思いを聞くに至った。 その結果、就労支援事業としての障害者アート作品とアール・ビリュットに関しても調査しなければならない課題か見つかった。そのため、令和5年度は調査内容に変更を加えて実施する予定である。
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