研究課題/領域番号 |
20K00270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
川島 慶子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20262941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 湯浅年子 / マリー・キュリー / フレデリック・ジョリオ=キュリー / イレーヌ・ジョリオ=キュリー / 山田延男 / 小野田忠 / 放射能 / ラジウム研究所 / ジェンダーと科学 / ジョリオ=キュリー / 女性科学者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最大の「問い」あるいは動機は、日本女性初の物理学者にして戦後日本人初の頭脳流出という稀有な存在である湯浅年子が、近年までほとんど真剣な科学史研究の対象になってこなかったのは何故か、というものである。本研究の特徴は、フランスにある湯浅資料の中でも、パリのキュリー・アーカイヴが保管するジョリオ=キュリー資料の中にある湯浅資料をとりあげることである。 応募者は最近使用可能になったフランス側の資料を、日本の資料と合わせて精査することで、湯浅年子を新しい視点から問い直す。
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研究成果の概要 |
湯浅年子は日本初の女性物理学者であり、マリー・キュリーの弟子で娘婿のフレデリック・ジョリオ=キュリーに師事した。 本研究は主にフランス側の資料から、マリー・キュリーの女性の弟子と湯浅のつながり、その共通点と相違点について分析した。また直接キュリーに師事した日本人男性科学者についても、湯浅との比較研究を行った。湯浅はまさに、西洋列強に追いつけ追い越せを目標としながら、同時に女性が科学から除外されていた日本近代に生きた女性科学者であったことを明らかにした。 また、神業と言われたラジウム研究所の女性たちの実験技術のルーツとして、マリー・キュリーが行ったラジウムの原子量決定方法についても分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、日本初の女性物理学者湯浅年子とマリー・キュリーの科学研究に対する姿勢を比較することにより、実際には出会っていない両者をつなぐ科学者たちの連鎖的関係を明らかにすることである。師であったフレデリック・ジョリオ=キュリー以外の科学者、特に先行研究ではキュリーの弟子の女性科学者たちとの関係は明らかではなかったので、シスターフッドの観点からもこの研究は重要である。同時に、前の世代にキュリーの弟子であった日本人男性科学者と湯浅の比較も行う。これは近代の日本とフランス、ポーランドにおいて、科学が果たした社会的意義、中でも当時のジェンダー規範がもたらした影響を明らかにできる。
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