研究課題/領域番号 |
20K00271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 恵子 (末永恵子) 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (10315658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 戸田正三 / 満洲 / 気候馴化 / 興亜民族生活科学研究所 / 植民地医学 / アジア太平洋戦争 / 軍陣医学 / 731部隊 / 帝国医療 / 馴化 / 衛生学 / 生活科学 / 七三一部隊 / 植民地 / 占領地 / 京都帝国大学 / 環境適応 |
研究開始時の研究の概要 |
戦前、亜寒帯から熱帯まで広がった日本の植民地・占領地には、内地と著しく異なる気候環境があった。この環境への適応という国策課題に取り組んだのが、衣食住の改良を提言する生活科学である。 本研究は、帝国日本の膨張と不即不離に結ばれていた生活科学の歴史を掘り起こし、その成立と展開の軌跡を跡づけながら、植民地支配や戦争との関係を明らかにすることを目的とする。この目的を実現するために、具体的には生活科学研究の第一人者・戸田正三(京都帝国大学医学部衛生学教授で興亜民族生活科学研究所所長を兼任)とその一門の活動を政策への関与も含めて分析し、歴史的・社会的文脈に位置づけたい。
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研究成果の概要 |
戸田正三の思想と学問形成に影響をもたらしたヨーロッパ留学について新資料を得て、分析を進め、留学中の研究環境や人的交流、そして研究内容の解明を行った。その結果、戸田は、軍事目的の実用的な研究に従事することに積極的な意義を見出していた。これらの経験が、後にアジア太平洋戦争で医学者の戦争動員を指揮する戸田の思想形成に影響を与えたことを指摘した。 戸田正三の研究業績との関連で、満州医科大学の医学者および軍とのつながりを指摘し、人体実験の供給の問題を論じた。また、戸田正三の弟子が、満洲医科大学の衛生学教室の教授を務めていた三浦運一である。三浦の研究室の業績を掘り起こし、その展開の軌跡を跡づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医学者の戦争協力については、アジア太平洋戦争期を中心に研究がなされてきたが、第一次世界大戦における医学者の軍事研究に注目した研究はほとんどなく、本稿は先駆的な意味をもっている。医学者が第一次世界大戦中に何を体験し、その経験をどう位置づけたのかを考察し、アジア太平洋戦争における戦争協力の背景を探る上で重要であるばかりでなく、「大学・科学者と軍事研究」の関係を考える上でも意義があると考える。 満州医科大学の医学者および軍とのつながりおよび人体実験の供給の問題を論じた。また、戸田正三の弟子で満洲医科大学の衛生学教室の教授の三浦運一を中心に生活科学に関する業績を掘り起こし、その展開の軌跡を跡づけた。
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