研究課題/領域番号 |
20K00280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
加藤 茂生 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (30328653)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 地質学史 / 植民地科学史 / 科学と帝国 / 日本科学史 / 植民地科学 / 鉱産資源調査史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、19世紀末から20世紀初頭における中国で日本人地質学者が行った地質調査について、多中心的・双方向的・複層的なネットワークという観点から検討するものである。 また、「科学と帝国」という世界的な科学史研究の潮流に呼応し、植民地経営において特に重要であった鉱産資源調査やそれに関連する地質調査についてあきらかにし、「帝国日本」の中国での地質学史研究を開拓することを試みる。 1895-1916年の地質調査の実態を実証的に明らかにするのみならず、日本・欧米・中国の地質学的「知」から調査への影響、調査結果の地質学的「知」への影響、中国の土着の知と調査との関係も考察する。
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研究実績の概要 |
本研究で検討している「課題5 「東京地学協会支那地学調査」」に関して、1911-16年に、東京地学協会の嘱託として石井八萬次郎・野田勢次郎・飯塚昇・小林儀一郎・堀内米雄・山根新次・川井甲吉・福地信世・杉本五十鈴らが華中・華南の広範な領域で行った地質調査に関係する資料を収集し、分析を行った。 本研究の「課題1 日清戦争後の遼東半島の地質調査」、「課題2 日清戦争・日露戦争間の中国各地の地質調査」、「課題3 日露戦争中・直後の満洲の地質調査」に関連する資料については、岩手県立博物館所蔵資料の調査を行い、小藤文次郎や和田維四郎、鴨下松次郎や小川琢治など中国で鉱物資源調査を行った地質学者に関する資料や、明治時代の地質学に関する矢部長克の資料を発見し、分析を行った。また、同じく本研究の「課題1」-「課題3」に関連する資料について、台湾・中央研究院近代史研究所郭廷以図書館および同研究所档案館、台湾・国家図書館、台湾大学地質標本館などで調査を行い、中国や台湾など各地を移動して調査を行った台湾総督府の地質学者の資料の収集・分析を行った。 現在はまだ部分的な資料の分析に留まっているが、今後、それらの資料の分析を総合し、19世紀末から20世紀初頭における中国で日本人地質学者が行った地質調査の歴史を、多中心的・双方向的・複層的なネットワークという観点から明らかにすることを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東京大学附属図書館など、本研究に関連する重要な資料が多く所蔵されている図書館が、新型コロナ感染対策のため学外者の利用に関しては不自由であったため、これまでの研究の遂行に支障を来した。また、中国での史料調査についても、中国に渡航しにくい状況にあったことから、遂行に支障が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
図書館や文書館における新型コロナ感染対策が緩和されてきたため、鋭意、資料調査を進める。また、海外での調査も行うとともに、中間的研究成果を国際学会等で発表し、最終的な結果発表の準備を進める。そのように、国内外の史料を用いて1895-1916年の地質調査の実態を実証的に明らかにするのみならず、日本・欧米・中国の地質学的「知」から調査への影響、調査結果の地質学的「知」への影響、中国の土着の知と調査との関係も考察する。
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