研究課題/領域番号 |
20K00301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
葉名尻 竜一 立正大学, 文学部, 教授 (00713075)
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研究分担者 |
堀江 秀史 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (10827504)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 映画館・歌舞伎座 / 鳴海廣 / 俳句同人誌『牧羊神』 / 山形健次郎 / 高知県立文学館 / 嶋岡晨 / 三沢市寺山修司記念館 / 日本近代文学大事典 / さっぽろ寺山修司資料館 / 地域文化 / 中野トク / 岸上大作 / 寺山修司 / 文学館の利活用 / 寺山修司記念館 / 寺山修司資料館 / 文学館 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は青森県三沢市にある寺山修司記念館と連携し、1万2千点に及ぶ所蔵資料の基礎研究によって、全国でその社会的意義を問われ存在自体が危ぶまれている文学館の利活用に向けての新機軸を開発することを目的とする。 現在、公開されている「寺山修司記念館所蔵リスト(抄)」は寄贈時に資料目録として整理・分類されたものの抄録であり、また、検索できる状態になっていないために、十分活用されてきたとは言い難い。その記念館に研究者が集団で調査に入ることにより、資料群を総合的な観点から捉え直し、寺山修司の全体像を学術的に浮かび上がらせる。その上で、人文学研究の拠点となる文学館の存在価値を再定義することを試みる。
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研究実績の概要 |
2022年度は、青森市に在住の鳴海廣氏のインタビュー動画を撮影し、映像資料として公開することができた。寺山修司は、十代の一時期を青森市の映画館・歌舞伎座で過ごした。仕事で九州へ移った母親と離れて、歌舞伎座を経営する大叔父の坂本勇三に引き取られたのである。鳴海廣氏は、当時の歌舞伎座支配人を父にもち、寺山修司とは青森高校の同期生として校友を結んだ。このインタビューのおかげで、寺山修司が自叙伝に記す、スクリーン裏での生活の逸話を検証することができた。 2021年度に制作した、俳句同人誌『牧羊神』同人・山形健次郎氏のインタビュー動画については、研究分担者の堀江秀史と研究代表者の葉名尻竜一との共同で、国際寺山修司学会 第27回初夏大会にて報告をした。合計4本になる予定のインタビュー動画は、現在も編集作業を継続している。このインタビューによって得られた俳句同人誌『牧羊神』についての新たな知見は、『日本近代文学大事典増補改訂デジタル版』の項目「寺山修司」(2023年3月公開)にも反映され、その内容を更新できた。 当時の寺山修司の活動をよく知る関係者たちの証言インタビューによって、寺山修司の年譜を補足するだけでなく、文献資料の取り扱いを再考する機会を作ることができた。 また、寺山修司と前衛短歌論争をした嶋岡晨の企画特別展が、2022年から2023年にかけて高知県立文学館で開催されたが、そこで初公開された資料によって、三沢市寺山修司記念館に所蔵されている資料を比較検証することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年間スケジュールを振り返りながら作業過程を記すことで進捗状況を報告していく。 3月にオンライン会議を開き、鳴海廣氏のインタビュー動画撮影の概要を決める。青森市に在住している研究協力者の久慈きみ代が鳴海廣氏との日程調整に当たり、また場所についても鳴海氏のご自宅で撮影する許可を得る。9月に、久慈の案内のもと、研究分担者の堀江秀史と研究代表者の葉名尻竜一が鳴海氏のご自宅を訪問し、インタビュー動画の撮影をする。研究協力者の小菅麻起子はオンラインで撮影に参加する。その後、堀江が編集作業を行い、鳴海氏ご自身に動画の内容を確認してもらったのち、2023年3月にYouTubeで一般公開する。国際寺山修司学会HPにも動画は掲載され、学会HP内でも視聴できるようになる。 6月にオンライン開催された国際寺山修司学会 第27回初夏大会にて「俳句同人誌『牧羊神』同人・山形健次郎氏のインタビュー動画の制作」について、堀江と葉名尻とが共同で報告をする。三沢市寺山修司記念館に所蔵されている寺山修司の個人手帖の翻刻作業は、研究協力者の小菅麻起子によって現在も進められている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究代表者の葉名尻竜一の在外研修にあわせて、アメリカのウィスコンシン州マディソンにて、研究集会の開催を予定している。三沢市寺山修司記念館所蔵資料を軸にして進めてきたこれまでの研究成果を国内外に向けて報告すると同時に、アメリカの寺山修司研究者と交流、議論をする場を設けることが目的の一つである。その後、研究成果を報告書にまとめる作業に入る。研究協力者の小菅麻起子が翻刻している寺山修司の個人手帖についても、掲載を目指して作業を進める。
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