研究課題/領域番号 |
20K00315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 尚子 愛媛大学, 法文学部, 教授 (50551016)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 室町 / 学問 / 注釈 / 三国志 / 日本紀 / 和漢比較 / 学問・注釈 / 注釈書・抄物 / 清原宣賢 / 式目注 / 中世 / 学者 / 注釈・学問 / 漢籍 / 室町の学問 / 中世日本紀 / 日本紀注釈 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が志すのは日本における三国志享受史の構築である。これまでにも取り組んできた ものを、より重層的かつ立体的にするべく、本研究としては上記の【研究実施計画】に記した、3つのポイント、すなわち①室町期の日記・記録類に記される三国志言説の整理、②中世日本紀・日本紀注釈と三国志享受との接点、③三国志享受に関する国際研究会・シンポジウムの開催を軸に据えて検討を行う。 これら3点の課題を遂行することで、三国志享受の様相の把握、その背景にある室町期の 学問の実態解明を目指している。そしてその作業の延長線上に、三国志受容における最大の 謎である『三国志演義』の流入時期の解明があると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究課題では『三国志演義』が室町期に日本に入ってきた可能性について、これまで取り組んできた「日本における三国志享受の通史的把握」の観点から考察した。日本での三国志享受において重要な役割を果たしたのが室町期の学問で、中国史書や儒学への学びが積極的になされたことで、魏蜀の正統論や、理想的臣下の象徴としての諸葛孔明が注目されるようになり、それが南北朝時代との重ね合わせを生んだ。同時に、室町期の学問では日本紀注釈も大きな位置を占めており、そこで取り上げられる神功皇后の三韓征伐が三国時代に当たることから、この2つの時代が関連付けて解釈された可能性が高いことから、両者の接点について、検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
三国志享受の問題について取り組んでいる研究者の数は、その重要性に比してきわめて少ない。取り組む人数の少なさが実態解明に時間がかかっている遠因ではあり、三国志享受研究の裾野を拡大するべく発信する役割を果たさねばという思いがある。その際、本研究が文学、史学、思想等様々な研究領域において貢献が可能となることも伝えていく必要があるとの思いで取り組んできた。本研究の遂行は周辺の研究領域との連携を図る重要性を伝えるモデルケースとなったと確信する。 三国志享受は日本だけの関心事ではない。本国中国はもちろん、韓国でも注目されている。本研究課題はそういった国際的な研究動向にも一石を投じることとなると考える。
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