研究課題/領域番号 |
20K00329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
村田 右富実 関西大学, 文学部, 教授 (30244619)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 上代文学 / 万葉集 / 統計学 / 上代特殊仮名遣い / 統計 / テキストファイル / 多変量解析 |
研究開始時の研究の概要 |
万葉集研究に統計学が持ち込まれたのは最近のことである。まだ認知度は低いけれども、これまで著者の感覚だけで述べられていた歌人毎の歌風の違いなどを客観的に記述できるようになって来た。本研究では、それを更に推し進めるため、奈良時代に存在していた「上代特殊仮名遣い」と呼ばれる現象を踏まえたデータを作成する。このことによって、更に奈良時代の人々の感覚を探ることができるようになると考えている。
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研究実績の概要 |
本研究の大きな特徴は、これまでの『万葉集』の訳文を単にテキストファイルにするだけではなく、上代特殊仮名遣いの甲乙を区別したテキストファイルとして、より奈良時代の状況に近いデータにした上で、統計的な解析に使用できるようにする点にある。ただし、その過程において、単に訳文にとどまらず、題詞左注をも含み込んだ『万葉集』全体をテキストファイルとして、注釈書間の比較を可能にすることを考えている。以下、現時点でのその進捗状況について記す。 まず、井手至氏・毛利正守氏『新校注万葉集』(和泉書院二〇〇八年―以下『新校注』)の甲乙を区別したテキストファイル化は完了している。ただし、題詞左注を含めた全面的なテキストファイル化は今後の課題である。次に木下正俊氏校訂『万葉集 CD-ROM版』(塙書房二〇〇一年―以下『塙本』)に基づいたテキストファイルに対して、甲乙を区別したファイルを作成した。さらに、同様に甲乙を区別したテキストファイルを作成するために、稲岡耕二氏著『和歌文学大系 万葉集 (一)~(四)』(明治書院一九九七~二〇一五年―以下『和歌大系』)のテキストファイル化に取り組んだ。こちらは題詞左注を含めてテキストファイル化にしており、今後、応用段階に入ることが可能である。 『新校注』については、歌の解析には使用可能であり、題詞左注の入力は今年度の課題である。『塙本』は校正を経ることによって、統計的な解析に耐えられるファイルになる予定である。『和歌大系』については、このテキストファイルに校正を加えた上で、甲乙を区別して、もう一度校正を掛ければ、こちらも統計的な解析に耐えられるファイルになる予定である。 新型コロナウイルス感染症が第五類となった結果、研究を進められるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の第五類への移行に伴って徐々に研究を進められるようになったものの、まだ完全に元通りになってはいない。 テキストファイル化も、甲乙の区別も、複数の人間によって、時間的に集中的な環境が必要となり、かつ、どうしても密室での作業となってしまう。そのため、思うように学生を使うことができず、個人で作業することになってしまった。さらに2023年度は研究代表者自身も罹患し、研究の停滞を招くことになってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
二〇二四年度は、新型コロナウイルス感染症とは無関係に校正や甲乙区別の作業が可能であろう。幸い、この間、『万葉集』を専攻する院生の数も増え、夏休みに集中して研究を進められると考えている。
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