研究課題/領域番号 |
20K00333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 沼津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小村 宏史 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (50734688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 出雲国造神賀詞 / 出雲国造 / 先代旧事本紀 / 鎮魂 / 出雲氏 / 物部氏 / 日置氏 / 神話 / 先代旧辞本紀 / 神宝 |
研究開始時の研究の概要 |
「出雲国造神賀詞」は、出雲国造の新任儀に伴って奏上される祝詞である。その神話的叙述は、他書に見えない独自記述を含み、出雲国造家の手による祭儀神話形成の意図を認めることができる。本研究は当該祝詞の神話叙述について、儀式次第との連結を考慮した「出雲国造神賀詞」詞章の読解、「出雲国造神賀詞」の独自記述を支える祭祀概念の検討、「出雲国造神賀詞」詞章成立の基盤となる氏族関係の解明、という三項目に重きを置いて分析し、奈良朝末から平安朝初頭にかけての時代の中で、出雲国造家が、儀礼の場で奏上される神話という形態で何を喧伝しようとしたのか、その実態を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
「出雲国造神賀詞」は出雲国造の新任儀に伴って奏上された祝詞である。その詞章内の神話的叙述は、他書に見えない独自記述を含み、出雲国造家の手による祭儀神話形成の意図を認めることができる。本研究は当該祝詞の神話叙述について、儀礼の文脈との関係性に注意を払いつつ、詞章内の独自記述を支える〈鎮魂〉概念、および詞章(特に独自記事)成立の基盤となる氏族関係の解明を試み、その成果を学術論文2編のかたちで公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、「出雲国造神賀詞」奏上儀における神宝献上の背景に、物部氏の〈鎮魂〉観があることを明らかにした。これは、旧来内在魂の揺動や遊離魂の付着といった観点で説かれてきた古代の〈鎮魂〉観自体の再考を促すものであり、「神賀詞」詞章解釈の重要な前提となることはもちろん、多くの上代文献について新たな〈読み〉の可能性を広げる意義をも有するものと認識している。 また、「神賀詞」固有の神話的言説である四神鎮座記事の検討を通し、物部氏・出雲氏の媒としての日置氏の存在を確認できたことは、古代の氏族関係に新たな光を照射することにつながると考える。
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