研究課題/領域番号 |
20K00337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木下 華子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10609605)
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研究分担者 |
山本 聡美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00366999)
堀川 貴司 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20229230)
渡邉 裕美子 立正大学, 文学部, 教授 (30713078)
陣野 英則 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40339627)
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
梅沢 恵 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (60415966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 日本文学 / 美術史学 / 中世 / 古代 / 日本文化史 / 中国 |
研究開始時の研究の概要 |
日本には、古都や古代寺院の遺構、あるいは絵画資料・記録・伝承等に描かれた荒廃した町並みや建造物など、古代以降、文学・美術・芸能に多くの廃墟表象を見いだせる。本研究では、文学・美術・芸能を専門とする複数の研究者を組織し、日本古代・中世における廃墟を、上述の多様な視点から総合的に分析する。また、研究会・シンポジウム・出版などを通じ、廃墟論の学術的フレームと議論の場を創出する。 東日本大震災以降、廃墟は物理的にも精神的にも私たちの間近に存在する。古代・中世の人々が廃墟と共存した有様を解明することで、現代社会における、廃墟を内包した新たな文化創造の論理的基盤を獲得することを最終的な目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本の古代・中世における「廃墟」を文学・美術・芸能・歴史・宗教等の視点から総合的に検討・考究するものである。2020年度に5回、2021年度に4回、2022年度に1回、計10回の定例研究会を開催した。加えて、2022年度は神奈川県立金沢文庫での本研究による展示(2023年度秋開催)のために資料調査を実施、研究総括としての国際シンポジウム「古代・中世日本における廃墟の文化史」を行った。3年間の研究成果は35件の雑誌論文、5件の著書、13件の学会発表・講演、1件の国際研究集会である。これらを通して、日本文化史における廃墟論の学術的フレームを創出し、新たな研究の局面を拓いたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、まず、日本の古代・中世における文学・美術・芸能・歴史・宗教等の資料を対象として、廃墟を表象する様々な表現のあり方とそのコードとしての役割を解明したことにある。また、これらの表象研究の成果を通して、廃墟が文化の再生・胚胎を可能とする機能的な場であることを、様々な作品・資料から明らかにしたことも特筆すべきものだろう。戦乱や自然災害、多くの社会変動に見舞われた日本の古代・中世において、人々が何を廃墟と見、廃墟に何を託したかを理解し、その機能を文化的・歴史的に解明することは、自然災害が頻発する現代において、廃墟と向き合う私たちの思考や思索を可視化・相対化することに寄与するものである。
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