研究課題/領域番号 |
20K00350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
志賀 賢子 (川崎賢子) 立教大学, 文学部, 特定課題研究員 (40628046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 近現代日本文学 / 検閲 / ロックフェラー財団 / 貫戦期 / プランゲ文庫 / 文化冷戦 / 広報外交 / 大衆文学 / 日本近代文学 / アダプテーション / 越境 / インテリジェンス(情報戦) / 引揚 / 日本文学 / GHQ / 朝鮮戦争 / 東アジア冷戦文化 / インテリジェンス / 国際化 / ソフトパワー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は貫戦期(日中戦争・太平洋戦争・GHQ占領期、冷戦期)における日本文学の連続的/断続的な変容と、それぞれの時期における日本文学の国際性の構造について明らかにしようとする。とくに、GHQ占領期における徹底したメディア検閲と奨励システムの終了後、連合軍SCAPに代わって、対日文化戦略を担った、米国の民間財団などによる文化冷戦期のソフトパワーと日本文学の変容の相関について焦点を当てる。資料体としては国会図書館資料、プランゲ文庫資料、米国公文書館資料に加えて、ロックフェラー財団資料などを用い、国際的な力学のもとでの、日本文学におけるミクロの政治(性・家族・生)の変容を分析し、考察する。
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研究実績の概要 |
最終年度は、冷戦期におけるモダニズム言説の変容の研究として南博の研究調査を行い、口頭発表、論文執筆をした。貫戦期(アジア・太平洋戦争期から冷戦期にかけて)にアメリカに留学し、太平洋戦争開戦後も交換船での帰国を拒否した南博資料が、アジア歴史資料センターの資料から発掘された。占領期1947年春に帰国して以後の、アメリカ言説、文学文化研究、社会心理学研究、マスコミュニケーション研究の枠組みで行われた占領期メディア政策(CIEによる映画検閲、CCDによる出版検閲)と事前検閲から事後検閲への意向による自主検閲の強化についての証言など、貴重な資料をプランゲ文庫資料から発掘することができた。 このほか文化冷戦期の大衆文学研究の成果として、占領後期『宝石』復刻、三人社、2023年10月の共編著と解題(1948年の「宝石」、移動の表象についての分析)「関西探偵/捕物作家クラブ会報」復刻、金沢文圃閣、2024年3月の解題執筆「関西探偵作家クラブ」を行なった。他に資料調査として、戦時中は米国議会図書館日本セクションの長を務め、冷戦期には、ロックフェラー財団の日本人創作家の米国招聘・留学プログラムに重要な役割を果たした坂西志保について、足跡を辿る調査を行った。 2023年3月に渡仏し、パリ・シテ大学、2023年3月17日に招待講演「近著を語る」、3月18日に「戦後GHQ占領期から冷戦期にかけての「大衆文学」研究の現状と課題」「日本文学研究の現在と世界の視野」シンポジウム、フランス国立東洋言語学院での報告発表を行なった。研究者のネットワークづくりに貢献した。 研究期間全体を通じて、冷戦期のソフトパワーと文学領域の交錯を解き明かすこと、文学の越境とジャンルの横断について一定の成果を上げることができた。ソフトパワーおよびメディア政策という大きな力と、文学の親密圏表象の動態的連関の研究を次なる課題とした。
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