研究課題/領域番号 |
20K00352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
朝比奈 英夫 京都光華女子大学, キャリア形成学部, 教授 (50248936)
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研究分担者 |
藤田 洋治 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (60165397)
池原 陽斉 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70722859)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 万葉集 / 伝来 / 享受 / 訓読本文 / 中古・中世和歌資料 / 人麿集 / 赤人集 / 家持集 / 校本 / 次点本 / 私家集 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、『万葉集』自体の伝本と、万葉歌を採取するかな文献との間に見られる歌本文の対応や異同を精密に調査し校本を作製する。この結果を活用しつつ、万葉集が平安朝以降の文学に与えた影響を実証的に究明する。具体的には、以下の3 点を柱として研究を行う。①本研究の基盤として万葉集自体の本文・訓の厳密な調査を行い、その結果を『万葉集次点本対校表』としてまとめる。 ②万葉歌人の名を冠する私家集(『人麿集』、『赤人集』、『家持集』)の校本の作成。③上記の①、②を基礎資料として活用し、平安時代における『万葉集』の享受の実態を究明し、『万葉集』の影響を受けた諸作品の考察を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、平安時代以降の文献に収載された万葉歌を対象として、『万葉集』の自体の伝本との比較を行い、歌本文の対応や異同を精密に調査することが主体である。調査結果は、歌本文の対応や異同を具体的に明示する校本を作製する。校本は広く公開し、当該分野での利用を促すことで、『万葉集』の伝来と享受の実態解明に役立てることを目的とする。 研究計画は、次のとおりである。2020年度に万葉集次点本のうち片仮名訓本の調査と平安時代私家集『家持集』伝本を調査する。2021年度に『万葉集次点本対校表』の作成を行う。これと並行して、平安時代私家集『人麿集』・『赤人集』・『家持集』諸伝本の本文の調査、検討及び校本の作成を行う。 初年度からコロナ感染症拡大の影響で、研究の進行に遅延を来たすこととなった。このため、当初計画のうち、万葉歌人の名を冠する私家集(『人麿集』、『赤人集』、『家持集』)の本文調査と校本の作成準備に注力した。研究題代表者と2名の研究分担者が、それぞれの担当を決め、まず『人麿集』各系統の入力と校正を進めた。この結果、『私家集大成』の五系統に分類される『人麿集う』の本文調査を完了し、その結果を校本にまとめる作業に着手している。なお、調査方法は、『冷泉家時雨亭叢書』所収の善本を活用し、より古態をとどめた本文による、資料的価値の高い校本の作成を目指している。 研究遂行に当たって、当初計画からの変更点として、研究代表者と研究分担者の合議方法が挙げられる。2020年度から2022年度に泣けて、対面での研究会開催を見送り、メールやzoomなどの代替手段を用いて研究の進行を図った。ただし、これはあくまでも臨時の措置であり、研究対象と作業内容が遠隔通信に馴染まない性格を持っているので、コロナ感染症などの社会情勢を見極めて、研究開催を実現する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『人麿集』・『赤人集』・『家持集』諸伝本の本文の調査、検討及び校本の作成を進めている。このうち、『赤人集』、『人麿集』については、作業が完了した。調査結果を校本にまとめるため、作業に着手しているが、対象となる伝本の数が多いので、適切な提示の仕方を確定するのに時間を要している。2022年度に続いて、この点の検討と決定を急ぎ、校本の作成を軌道に乗せたい。 コロナ感染症に対応するため、想定外の校務が重なったことも、研究の進捗に大きく影響を与え、当初計画よりも遅れての進行になっている。
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今後の研究の推進方策 |
『人麿集』・『赤人集』に続いて、『家持集』諸伝本の本文の調査を行う。これと平行して校本の作成を進める。伝本数が多いことに適応した適切な提示の仕方を確定する必要があるため、この点の検討と決定を急ぎ、校本の作成を軌道に乗せる。その成果を年度内に学術誌に掲載することを目指す。 研究計画では、調査すべき価値を持つ伝本について、所蔵機関に出向いて実地調査を行うこととしていたが、コロナ感染症拡大による制限のため、未達成である。2023年度は、この伝本調査についても、今後の社会情勢を見極めて、順次、調査に着手したい。具体的候補として、 鶴岡郷土資料館の万葉集版本の書き入れ本の撮影を予定している。 これまでの研究結果から、派生的課題として『藻塩草』の万葉集本文の調査を行う必要が生じた。そこで、渋谷虎雄氏等の先行研究を受けて、『藻塩草』の写本の校異本文を一覧にする予定である。『藻塩草』に関しては、版本ではなく、数本の写本を用い、よりよい本文で万葉集の本文を考察する。
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