研究課題/領域番号 |
20K00361
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
|
研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
副田 賢二 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 教授 (40545795)
|
研究分担者 |
松村 良 駒沢女子大学, 公私立大学の部局等, 特任教授 (00265571)
天野 知幸 京都教育大学, 教育学部, 教授 (40552998)
渡邊 英理 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50633567)
荒井 真理亜 相愛大学, 人文学部, 教授 (90612424)
三浦 卓 志學館大学, 人間関係学部, 准教授 (90785619)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 週刊誌の視覚表象とテクスト / レイアウトの中の文学 / 挿絵・カット・グラフィズム / 「作家」像の生成と消費 / 敗戦後被占領期の自己・他者表象 / 戦後週刊誌の「地方」表象と文学 / 戦時下の「女性」表象 / 歴史研究との越境的接続 / 戦時下の女性性をめぐる表象 / メディア・歴史研究との越境的接続 / 週刊誌における視覚表象 / 1920~80年代の週刊誌と文学 / 週刊誌のメディア的特質 / 戦後日本の大衆文化と週刊誌 / 週刊誌メディアとプロパガンダ |
研究開始時の研究の概要 |
1920年代以降の近代日本文学と大衆文化の領域において週刊誌は重要な役割を果たしたが、従来の雑誌研究の対象は月刊誌と新聞に偏っており、週刊誌研究は十分に実践されていない。本研究は、まず1920年代以降、週刊誌『サンデー毎日』『週刊朝日』が、同時代の文学や大衆文化の領域、及び戦前期の社会構造と政治・思想体制の中で果たした機能と役割はどのようなものであったのか、その掲載コンテンツの視覚表象とレイアウト、それとの文学テクストとの関わりを中心に考察する。そして、そのような戦前期週刊誌の形態が、戦時下以降どのように変容し、戦後大衆文化の主要メディアとなる戦後型週刊誌へと発展したのかを、総合的に考察する。
|
研究実績の概要 |
本科研費研究の最終年度である2022年度は、これまでの研究成果を社会へ公開する集大成の時期であった。よって、その総合的な成果発表の一つとして、2022年度日本近代文学会秋季大会(於同志社大学今出川キャンパス)において、本科研費研究の構成メンバー4名によるパネル発表「戦前期『サンデー毎日』の視覚表象と文学」を実施した。 また、このパネル発表や従来の論文・研究発表の内容を含めた、全ての研究成果をまとめた学術書の出版計画を同時に進めており、文学研究系の著名な出版社である文学通信からの出版が既に決定している。今年度は、それに向けた研究会や執筆、調査を、執筆予定者を中心に、着実に進めてきた。2023年2月には、週刊誌『週刊朝日』の元編集長青木康晋氏の講演とインタビューを大阪大学にて実施し、学術書への掲載を目指して活動を進めた。 また、その学術書の出版に向けて、執筆者やその内容、構成等を既に検討、協議しており、2023年度中の刊行に向けて、2022年度中に着実に準備を重ねてきた。現在の研究代表者、研究分担者、研究協力者の全員が協同し、本研究のさらなる深化と研究成果の具体化に向けて、論文執筆や研究発表、共同調査など、様々な形で研究活動を進めている。Covid-19パンデミック期間中はZoomを用いた非対面の研究会や会議が主であったが、そこでも様々な議論や意見交換を既に実施しており、研究成果公開のさらなる先の段階に向けて、準備を着実に整え、研究実績を積み重ねてきた。ただ、2023年度初頭まで続いたCovid-19パンデミックの影響はやはり大きく、実地調査や研究発表、他の研究者との交流が延期されることも多かったため、研究成果のさらなる公開のためには、研究期間の延長が必要と判断し、期間の延長を申請し、受理されている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年10月に、査読審査のある全国学会である日本近代文学会にて、パネル発表の形で研究発表を実施し、本研究の成果を広く社会に公開することができた。 また、文学通信から刊行を予定している学術書の執筆者やその内容、構成等も既に決定しており、十分に準備は整っている。また、学術書に掲載するコンテンツとして、週刊誌『週刊朝日』の元編集長青木康晋氏の講演とインタビューを2023年2月に実施し、それを掲載するための諸作業を現在進めている。 ただ、2023年度初頭まで続いたCovid-19パンデミックの影響によって、実地調査や研究発表、他の研究者との交流が大幅に制限され続けた結果、学術書の出版に向けた、構成メンバー各自の調査や執筆が予定通りに進まず、さらに時間をかける必要性に迫られている。よって、本科研費研究については、研究期間の延長を申請することになり、既に受理されている。 期間延長になったとは言え、これまでの研究成果・調査の蓄積は十分であり、その論文化や研究発表の実施についても、既に現在着実に進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度中に、研究成果を総合的にまとめた学術書の出版を目指しており、それを研究活動の中心的目標として、着実に作業を進める。 また、文学研究・雑誌メディア研究以外の視点からの戦前期週刊誌分析を進め、多層的かつ複合的な視点を備えた研究成果の公開を目指す。 また、学術書刊行以外にも、学会誌や研究論文誌への論文投稿を積極的に進め、一般公開の研究会の開催も計画している。研究領域を横断する越境的な研究活動が本研究には不可欠であるため、そのような方向性において今後活動を推進してゆく。
|