研究課題/領域番号 |
20K00365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 加奈子 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (80293489)
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研究分担者 |
井上 正夫 松山大学, 経済学部, 教授 (10633274)
氏岡 真士 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (60303484)
閻 小妹 信州大学, 全学教育機構, 特任教授 (70213585)
佐立 治人 関西大学, 法学部, 教授 (70340643)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中国文学 / 日本近世文学 / 中国経済史 / 中国法制史 / 中国語学 / 中国古典文学 / 東洋法制史 / 日本文学 |
研究開始時の研究の概要 |
『杜騙新書』の諸本(明刊本・写本・和刻本・明治の訳注本に大別される)の情報を集積し、複写が入手可能なものはその入手に努める。また明刊本や写本の書き込み・蔵書印といった、複写からだけでは確認しきれない情報を得るため、各地の図書館等への実地調査も併せて行う。 各諸本の調査分析と原文の校勘をすすめ、それと並行して中国文学や日本文学・書誌学・東洋法制史・経済史・中国語学など様々な見地から考察を行なう。 これらと並行して『杜騙新書』巻三・巻四の訳注を作成し、上記の調査研究と統合して成果を公表する。
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研究成果の概要 |
当「『杜騙新書』の発展的研究プロジェクト」では、第三巻第十七類姦情騙の第五十五話から最終話である第四巻第二十四類引嫖騙の第八十四話までの日本語訳と注釈を完成させ、『『杜騙新書』訳注稿三編』として発行した。並びに刊行した成果を国会図書館を始めとする全国都道府県立図書館、また東洋学研究関係諸機関に寄贈した。 2015年3月に発行された『『杜騙新書』訳注稿初編』、2018年3月に発行された『『杜騙新書』訳注稿二編』、そしてこの度発行に至った『『杜騙新書』訳注稿三編』と合わせることで、『杜騙新書』日本語訳注が全巻全話を網羅する形で完成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『杜騙新書』は中国明代の商人層を中心とする様々な詐欺事件を題材としている俗語短編小説集であり、その内容は当時の社会情勢や経済や法制度、また人々の善悪に対する見方や家族関係や人間関係のあり方などを如実に反映している。従来、日本の江戸文学との関連性から専ら分析がなされてきた『杜騙新書』であるが、この度初めて中国に関係する様々な分野からの専門的見地から日本語訳と注釈が完成した。また現時点で確認される写本5種の分析からも、江戸時代における中国書の受容がいかなるものであったかの新たな考察につながるものと考える。これを切り口として、明代社会の諸相を研究する新たな糸口となることを期待するものである。
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