研究課題/領域番号 |
20K00366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
好川 聡 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (10456816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 唐代文学 / 中唐 / 韓愈 / 杜甫 / 中唐文学 / 中国文学 |
研究開始時の研究の概要 |
中唐の元和年間は、韓愈、柳宗元、劉禹錫、白居易、元ジン等がそれぞれに特色ある文学を生み出し、文学活動に大きな変革があった時期と目される。その全体像を明らかにするため、まずは韓愈の詩文に焦点を当てる。韓愈の元和前半における文学活動の特色についてや、対人関係とその表現について考察を進めていく。
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研究実績の概要 |
本年度はシンポジウム「安史の乱に杜甫は何をもたらしたのか」のお誘いを受け、口頭発表「「自京赴奉先県詠懐五百字」以降の杜甫詩の展開について」を行った。その中で、宋本杜工部集の配列に従って読み進めていくと、「自京赴奉先県詠懐五百字」以下三首の詩に「天宝○載○月」に詩を作ったとという自注が立て続けに記されていることを足がかりに、何年何月に作ったと明快に分かる詩は、杜甫自身が後に自注を書き加えることで安史の乱勃発の天宝十四載十一月から始まること、安史の乱以降杜甫の編年意識が強まっていくこと、自身の家族のみならず他者の家族、私生活にも言及する詩が増え出すこと等を論じた。本発表をもとに執筆した論文「杜甫の自注にみえる編年意識について」では、さらに宋本杜工部集巻二の前半の配列は、杜甫自身の手で詩を並べた痕跡が残されている可能性があり、ここにも杜甫が自身で詩を編年しようとした意図が窺えることについて論じた。本稿は研究課題である韓愈と直接関わるものではないが、安史の乱を契機に起こった文学変動は、中唐元和期に起こった文学変動を考察する上で大きな示唆を与えてくれる。今回の研究成果を中唐元和期の文学研究にも活かしていきたい。 韓愈に関しては昨年度と同様『韓愈詩訳注第四冊』(研文出版)の編集作業を進めていき、韓愈詩を精読するなかで他者戯画化についての考察を引き続き行った。論戦の戯画化、神の戯画化の分析や、「孟東野失子」について、韓愈がどのような天人観で子を亡くした孟郊を慰撫しようとしたか、その思想面からではなく、韓愈がどのような表現で孟郊を慰撫しようとしたか、その文学面から分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シンポジウムのお誘いを受け、研究課題以外の領域の研究に時間を割いたため。
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今後の研究の推進方策 |
韓愈詩の他者戯画化についての研究成果をまとめる。 韓愈詩に見られる交友関係について分析・整理を行う。
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