研究課題/領域番号 |
20K00376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
辻 リン 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (80367151)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 明清通俗文芸 / 語り物 / 説唱文学 / 宝巻 / 明清通俗文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、宝巻の変遷史の上で極めて重要でありながら、踏み込んで研究されていない「沈衰期」の実態を明らかにすることを目指すものである。宝巻文学の変遷史における主要な問題――民間教派による物語宝巻の伝播、俗曲の流行り廃りによる宝巻スタイルの変化過程、信仰対象の変化による物語の変容にまつわる問題は、宗教教派期と宝巻の「沈衰期」とされる時期において、いまだ充分に解明するには至っていなかった問題である。本研究では、同時期の宝巻の変容過程をさらに綿密な考察を行うことによって、これらの問題をより明らかにすることを試みる。
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研究成果の概要 |
宝巻は明清から民国に至るまで民間で盛んに行われた語り物の一種であるる。因果応報を説くという宗教的な役割とそれに即した独自の形態を保ちながら、時代を経るにつれ、物語を含む叙事的なものが多くなり、宗教的なものから文学的なものへ傾き、娯楽性を強めていく流れがみられる。宝巻文学の変遷史において、明末清初から清の嘉慶までのおよそ百年間に、現存する宝巻のテキストが乏しいことから、踏み込んで研究されていなかった。本課題研究はこれまでの研究に続き、一連の考察によって、最終的には宝巻の変遷史において、いまだ明らかになっていない転換期の様相を解明することを目的とする。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、宝巻の変遷史の上で極めて重要でありながら、踏み込んで研究されていない「沈衰期」とされた期間の実態を明らかにするものである。「沈衰期」を挟む早期の宝巻を「古宝巻」、後期の質的な変化が見られる宝巻を「新宝巻」と呼ばれる。視点を変えれば、いわゆる「沈衰期」は宝巻の変遷史における重要な転換期と言ってもよいのである。この期間の実態を明らかすることによって、宝巻文学の変遷史における主要な問題――民間教派による物語宝巻の伝播、俗曲の流行り廃りによる宝巻スタイルの変化過程、信仰対象の変化による物語の変容にまつわる問題の解明にもつながります。
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