研究課題/領域番号 |
20K00381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
井川 眞砂 東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (30104730)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 19-20世紀転換期アメリカ / マーク・トウェイン / 無削除新版『マーク・トウェイン自伝』全3巻 / ホイッティア70歳誕生祝賀スピーチ事件 / 文化ヒエラルキー / ユーモア / カーニバル / ミハイル・バフチン / 『マーク・トウェイン自伝』全3巻 / ボストン中心の東部文学世界 / ハイブラウ/ロウブラウ / アメリカ文学・文化史 / 『マーク・トウェイン自伝』 / ボストン・ブラーミン / アメリカのユーモア / 〈笑いの武器〉 / アメリカ19-20世紀転換期 / アメリカ南西部ユーモア / 19世紀アメリカの文学的コメディアン / 晩年のマーク・トウェイン / 笑い / 時事社会批評 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はマーク・トウェイン晩年期研究の一環である。前段階の研究では、トウェインがユーモアの修辞を〈笑いの武器〉として行使する姿を提示し、その批評精神が芸術活動における自我実現の範囲を超えた社会的な在りようを具現すると論じた。ついで、その先の最晩年の批評精神を考察しようとする。トウェインはグローバルな地上の視野を獲得すると、さらに地球さえも宇宙の中で相対化して位置づけ、人類的課題を思考するようになる。その批評精神を吟味する。 ユーモア作家としてスタートした本作家は、そのユーモアの修辞において変容を見せ、晩年の批評精神獲得へと成長していく。トウェイン晩年像の新たな構築に貢献することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はマーク・トウェイン晩年期研究の一環であり、トウェインがユーモアのレトリックを<笑いの武器>として活用後も、いかにそのレトリックを使い続けるかを探ろうとする。テクストには無削除新版『マーク・トウェイン自伝』全3巻、没後100年刊を選び、「ホイッティア70歳誕生祝賀スピーチ事件」を見直す70歳の著者を論じた。「単なるユーモア作家にすぎないなら、生き延びることはできない」と述べるトウェインの作家人生を振り返る批評精神、およびユーモアのレトリックの健在ぶりを読み取った。 アメリカのユーモアばかりか、ラブレーやバフチン他の著作から中世・ルネサンスの民衆文化、道化の歴史、諷刺等についても調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マーク・トウェイン研究史において晩年期の研究が長らく看過されてきた結果、複雑な晩年像はなお十分な理解がなされているとは言い難い。ましてや、そのユーモアにおいてはなおさらである。 それでも21世紀初頭には、晩年期の研究成果が以前よりも出版されるようになり、中でもトウェイン自身の無削除新版『マーク・トウェイン自伝』全3巻(2010-2015)のカリフォルニア大学出版局刊行は特筆に値する。これまでその50%が未公刊であった本『自伝』によって、アメリカの国民作家トウェインの晩年期批評精神、およびそのユーモアの健在ぶりを読み取り提示できたことは、学術的な意義ばかりか社会的意義も大きいと思われる。
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