研究課題/領域番号 |
20K00388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊勢 芳夫 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 名誉教授 (80223048)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 知の考古学 / 英国植民地文学 / 日本植民地文学 / 近代化言説 / GHQ日本占領政策 / 近代化 / GHQ占領下政策 / 日本の占領化政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平成30年までの英領インドにおける植民地政策とインド表象の構築、白人優位の世界システムへの植民地域の取り込みと、そのようなアジアの植民地化に直面した日本の近代化の促進と対抗言説の創出=挫折を、日・英・印の3方向の視点から、共時的及び通時的に分析し、植民地政策下の「土着性の変容」、そしてそれらの近代化への影響を明らかにする研究を継続しつつ、逸早く独自の言説形成を開始した日本が敗戦を機にGHQの占領政策によってアメリカの言説編成にいかに取り込まれていったかについての調査・分析をすることで「アメリカ式新帝国主義」の実態も明らかにする。期間内に日本語により研究成果を公表する。
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研究成果の概要 |
本研究はミシェル・フーコーの「知の考古学」の研究を援用しながら「言説形成=編成」概念を再定義化することにより独自の「知の考古学」的方法論を確立し、その方法を歴史資料の分析に活用し、英領インドにおけるインド表象の構築、白人優位の世界システムへの植民地域の取込みと土着性の変容、一方、そのようなアジアの植民地化に直面した日本の近代化の促進と西欧列強への対抗言説の創出、そして太平洋戦争の敗戦を機にGHQの占領政策によってアメリカの言説編成に日本がいかに取り込まれていったかについて、英・米・印・日の視点から共時的・通時的な比較研究を実施し、その研究成果を論文、著書、及び学会発表により公表を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、旧植民地地域の言説(表象)研究では、その研究対象として日本が除外される傾向がある。しかしながら本研究では、欧米優位の文化ヘゲモニーに組み込まれたアジア諸国と同様、一方的に欧米の言説の中で表象された日本の近代化と土着の変容の歴史と、そしてその過程で西欧帝国主義の対抗言説として創出された日本帝国主義を、「知の考古学」的方法論でもって検証した。その様な複合的な研究を行うことによって、より普遍的なレベルでの帝国主義の文化支配や近代化の実体が明確になり、したがって、単にポストコロニアル研究を補完するだけではなく、いかなる優位者による異文化表象や言説形成を研究するための方法論を構築できたと考える。
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