研究課題/領域番号 |
20K00398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
小倉 いずみ 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラルフ・ウォルド・エマソン / 奴隷制廃止主義 / 奴隷貿易の歴史 / リンカーン大統領 / 「共和国の命運」講演 / 「アメリカの文明」講演 / アメリカ植民協会 / 奴隷制廃止と補償問題 / 南北戦争 / 奴隷制廃止の講演 / エイブラハム・リンカーン / 南北戦争後のエマソン / トマス・ウェントワース・ヒギンソン / エミリ・ディキンソン / 大西洋奴隷貿易 / チャールズ・サムナー / 全米ソロー学会 / 植民協会と解放奴隷 / リベリア / リンカーン大統領との面会 / 講演原稿の復元 / オルソンと初期アメリカ / ジョン・ブラウン / reading drama / Olaudah Equiano / John Newton / Abraham Lincoln / Ralph Waldo Emerson / ハーバード大学と奴隷制廃止 / 奴隷制廃止 / 逃亡奴隷法 / 再建の時代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は現代アメリカの人種的・階級的な分断状態に鑑みて、19世紀に奴隷制の廃止を訴えたエマソンの普遍的な思想を分析する。彼は神学を修めて牧師となったが、ユニテリアン主義の形式や牧師の厳格な仕事に疑問を持ち、自由な講演者としての道を選んだ。彼は詩作や文学に関心を持ちながら天文学や博物学などの科学知識を携え、さらに政治的な奴隷制廃止運動に大きな影響力を持った「横断的知性」である。本研究は奴隷制反対運動に関わった知識人や政治家の動き、南北戦争時のリンカーン大統領との面会、戦後の生ぬるい再建に対する彼の批判などを広い視点から検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は19世紀アメリカの奴隷制廃止への動きをアメリカ独立革命から南北戦争、再建の時代まで探究した。憲法で沈黙された奴隷の処遇は19世紀に大きな論争を呼び、社会的正義を求める動きは19世紀に拡大した。エマソンによる1844年の「英国領西インド諸島における奴隷解放10周年記念講演」は、彼が奴隷制廃止を扱った最初の講演であった。さらに1850年の逃亡奴隷法に抗議する二つの講演は、彼の知性が大衆に大きな影響力を持った事実を示す好例である。本研究は文学におけるエマソンの思想だけではなく、彼の自己信頼がどのように社会と関わるようになったかを歴史的文脈の中で分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は現代のアメリカの分断の状況を背景に、その根底にある19世紀アメリカの奴隷制廃止への動きをアメリカ独立革命から南北戦争、再建の時代まで探究した。エマソンは1844年から奴隷制廃止を扱った講演を行った。1850年の逃亡奴隷法に抗議する二つの講演は、彼の知性が大衆に大きな影響力を持った事実を示す好例である。南北戦争中の1862年にはリンカーン大統領に面会し、講演「共和国の命運」や「アメリカの文明」を行い、奴隷制の廃止を訴えた。文学は抽象論ではなく行動を伴うと考えたエマソンは21世紀の分断する社会で再評価されており、本研究は奴隷制廃止という政治を19世紀のアメリカ文学に組み込んだ成果を出した。
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