研究課題/領域番号 |
20K00408
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大河内 昌 東北大学, 文学研究科, 教授 (60194114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 文学理論 / 唯美主義 / 脱構築批評 / フォルマリズム / イデオロギー / 新批評 / 構造主義 / 美学 / 文学性 / 思想史 / 脱構築 / ポール・ド・マン / 批評理論 / オスカー・ワイルド / モダニズム / 虚構論 / ポスト構造主義 / 批評 / 文学研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀における文学批評理論の展開をひとつの思想史として記述する試みである。とくに「文学性」(literariness)という概念に焦点を当て、この概念がどのような思想史的・社会的文脈で登場したのか、それがアカデミックな文学研究の中でどのような役割を果たし、最終的にどのように信憑性を失っていったのかを跡づける。そのことによって文学研究が現在陥っている苦境の本質を理解し、文学研究がそこから抜け出すための処方箋を考える。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀における文学批評理論の展開をひとつの「思想史」として記述・分析するこころみである。焦点となるのは「文学性」の概念である。本研究は「文学性」の概念がどのように形成され、最終的に消滅していったのかという、その軌跡をたどることをこころみる。文学テクストと他の文書を区別する基準こそ「文学性」である。20世紀の文学理論は何をもって「文学性」としてきたのだろうか?本研究は19世紀末の唯美主義から20世紀末の脱構築批評までの批評理論を特徴づけた「文学性」の概念を分析し、文学研究の方法論としての批評理論が成し遂げたことと、成し遂げようとして叶わなかったことを整理することをこころみた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
20世紀の理論的文学研究は、構造主義言語学、マルクス主義、精神分析、ミシェル・フーコーの言説理論などを大胆に取り入れ、学際的な学問分野として発展してきた。しかし、そうした成果にもかかわらず、近年、文学研究の衰退が言われている。本申請者はそうした事態を憂慮しているが、文学研究の今後の可能性を切り拓くためには文学研究の方法論としての批評理論が成し遂げたことと、成し遂げようとして叶わなかったことを整理する必要がある。本研究は、20世紀における批評理論を包括的に再評価することによって、21世紀における文学研究の未来を描くことを目指したという点で、大きな学術的・社会的意義を有している。
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