研究課題/領域番号 |
20K00410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 潤美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70222726)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 階級意識 / 郊外 / ロウワー・ミドル・クラス / ステレオタイプ / 階級 / 階級と言葉 / アッパー・クラス / アッパー・ミドル・クラス / ワーキング・クラス / ステレオタイプ表象 / 英国文学 / 英国文化 / 事務員 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では英国において特に19世 紀後半にその数が急増し、存在感が大きくなった、都市部の「事務員」(clerk)と、彼らの 住宅地としてやはり19世紀後半に開発が進んだ「郊外住宅地」(suburbs)について、そのイ メージとステレオタイプを、小説、戯曲、随筆などの文学作品、そして雑誌、映画等の文化 的な媒体をとおして考察する。この研究をとおして、ロウワー・ミドル・クラスの様々な表象が英国の 文化、階級観においてどのような意味を持つのかを分析すると共に、それが現在の英国の文化とアイデンティティの中で占める位置を明らかにしていきたい。
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研究成果の概要 |
英国の文学、文化における「ロウワー・ミドル・クラス」の表象を、19世紀から現代までたどることによって、「ロウワー・ミドル・クラス」という、英国においても依然として曖昧で不透明なコンセプトがどのようにして作られ、そのステレオタイプが発展したかを考察した。特に19世紀後半にその数が急増し、存在感が大きくなった都市部の「事務員」、彼らの住宅地として19世紀後半に開発が進んだ郊外住宅地について、そのイメージとステレオタイプを小説、戯曲、随筆、各種映像表象を分析し、「ロウワー・ミドル・クラス」表象が英国の文化、階級観において持つ意味、現在の英国の文化とアイデンティティの中で占める位置を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英国における「ミドル・クラス」のイメージと実体については研究がなされてきた。しかし、本研究ではこれまであまり取り上げられなかった「ロウワー・ミドル・クラス」に焦点を当て、その実体が依然として漠然としていることについて、新たに勢力を増して存在感を大きくしたロウワー・ミドル・クラスがアッパー・クラスやアッパー・ミドル・クラスをどのように脅かしていったか、そして諷刺、揶揄、非難の対象となったかを考察した。さらに「ロウワー・ミドル・クラス」と関連の深い「郊外(サバービア)」という住宅地の表象を考察することによって、英国文学、文化における「階級」のコンセプトについての新たな理解に貢献する試みである。
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