研究課題/領域番号 |
20K00425
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
|
研究機関 | 名古屋経済大学 |
研究代表者 |
川津 雅江 名古屋経済大学, 法学部, 名誉教授 (30278387)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 性教育 / ジェンダー / セクシュアリティ / 身体 / 健康 / 英文学 / 女性作家 / 医学的言説 |
研究開始時の研究の概要 |
性の健康世界学会が提言した「性の権利」や「性の健康」を基盤とする現代的な性教育の萌芽的考えが、イギリス・ロマン主義時代に誕生した近代フェミニズム思想にいかに包摂されていたかを解明するとともに、この時代における性教育がいかに隠された形でも展開されていたかを探索する。具体的には、メアリ・ウルストンクラフトが女子教育において重視する性や生殖の知識の修得が、女性の人権や身体的・精神的・社会的健康の擁護思想と連動していることを精査することによって、彼女の性教育の先駆性を検証する。また他の女性作家たちがウルストンクラフトとは異なり、社会的な性の規範内での性教育の多様なあり方を探ったことを分析する。
|
研究成果の概要 |
性の健康世界学会が1999年や2005年に提言した「性の権利」や「性の健康」宣言において、性教育はグローバルに取り組む課題の一つになっている。本研究では、このジェンダー平等や人権尊重を基盤とした現代的な性教育の萌芽的考えが、イギリス・ロマン主義時代のメアリ・ウルストンクラフトの近代フェミニズム思想に包摂されていることを解明し、彼女の性教育観の先駆性を検証した。また、同時代の他の女性作家たちが、ウルストンクラフトとは異なり、隠されたかたちで、多様な性教育のあり方を模索したことを考察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イギリス・ロマン主義時代の女性のセクシュアリティ研究は1980年代にはじまり、多数の先行研究があるが、性の教育についての考察はまだ未着手だった。従って、本研究は、ヴィクトリア朝以降の性教育関連に目を向けた最新の性教育史研究を補う学術的意義を持つ。また、医学書や性の手引き書などが性の教育に果たした役割に注目する本研究は、女性や子ども向けの教育関連のテクストの読み直し、女性の身体教育や健康教育など、新たな課題への取り組みを促すものであり、ロマン主義時代の文化・文学研究の発展にも大いに寄与するものである。
|