研究課題/領域番号 |
20K00451
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 元状 慶應義塾大学, 法学部(日吉), 教授 (50433735)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モダニズム / レイト・モダニズム / ブルームズベリー / ホガース・プレス / 世界文学 / 翻訳 / 弁証法的プログラム / ヴァージニア・ウルフ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2000年代前後のポストモダニズムの言説の退潮とともに、北米のアカデミーで前景化してきた「レイト・モダニズム」の言説に焦点を合わせ、モダニズム研究におけるこの言説の理論的な射程と実践的な可能性について、下記の三点の視座から総合的な検証を行う。(a)「レイト・モダニズム」とその近接的時間概念の関係性についての批判的考察、(b)「レイト・モダニズム」の言説の歴史の批判的検証、(c)ブルームズベリー・グループの弁証法的プログラムとしての再配置、である。
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研究成果の概要 |
本研究の使命は、(a)「レイト・モダニズム」の概念を同時代の時間性言説との関連の中で検証していくこと、( b)「レイト・モダニズム」の言説の歴史を検証し、その理論的な可能性の中心を探り出すこと、そして(c)「レイト・モダニズム」の歴史的プログラムの観点からブルームズベリー・グループの集合的な言説を再検証すること、の三点であった。(a)と(b)の理論的な視点と(c)の実践的な視点を交えながら、レイト・モダニズムに関する包括的な研究を行った。特筆すべき成果としては、『「ドライブ・マイ・カー」論』(共編著、慶應義塾大学出版会、2023年)が挙げられる。現代映画をモダニズムの翻訳の観点から読み解いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、(1)「レイト・モダニズム」や「長いモダニズム」などの時間性についての理論的な考察と、(2)ブルームズベリー・グループの言説についての実践的な考察の二つに大別できる。前者に関して本研究が明らかにしたのは、モダニズムの時間概念の再検証の必要性である。従来の文学史的な捉え方とは異なり、モダニズムとは、常に「遅れてやってくる」ものであり、「反復」をその原動力にしている、ということである。また後者に関して本研究が明らかにしたのは、ブルームズベリーの言説がモダニズムの翻訳空間を形作っていたということである。これらの二つの発見は、学術的にも、社会的にも大きな意義を持つ考察であろう。
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