研究課題/領域番号 |
20K00455
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
澤田 敬司 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (50247269)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 難民 / 日系人 / スリランカ / 修復的司法 / ストーリーテリング / 移民 / オーストラリア / 演劇 / オペラ / 先住民 / オーストラリア演劇 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「ストーリーテリングを表現手法 として用いる作品の歴史的・網羅的調査と比較研究」「その役割と効果の検証」「物語を共 有してきたコミュニティから離れた上演の分析」という3つの目的を追求する。また、オー ストラリアの現代演劇を語り物の芸能の研究の蓄積のある日本の手法を視野におさめながら 分析する点、どのような「記憶」「証言」がストーリーテリングの手法を用いた演劇の中で 表現されるかを検証する点、さらにそれらがコミュニティの外や異なる文脈・文化圏でどの 様に観客に受け止められるかという点を、演劇的実践を並行させながら探求する。
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研究実績の概要 |
今年度は、研究計画で挙げていた本研究の対象作品が複数上演されたため、研究は進展した。具体的には、早稲田大学で実施した『ヤスキチ・ムラカミ』(2022年6月)の日本語上演と、日本演出者協会国際部がオンラインで実施した『カウンティング&クラッキング』(2022年9月)の日本語上演である。前者は戦前・戦中の日系移民の物語を、現在の「日系」アーティストが物語る重層的なストーリーテリングからなる作品である。『カウンティング&クラッキング』はスリランカ系移民・難民の物語を、「スリランカ系」である作者が、周囲のスリランカ移民コミュニティの言葉をそのまま取り入れながら戯曲を構築した。これら両作品とも、それぞれ日本で最初となる上演にあわせて、オンラインで作者S・シャクティダラン、マユ・カナモリとの公開ディスカッションを行い、多くの証言を得ることが出来た。そのためにオーストラリアに渡航し、事前打ち合わせと資料収集を行った。また『ヤスキチ・ムラカミ』の上演では、オーストラリア初演時の日系俳優の出演者たちや音楽担当アーディストからの意見も聴取することが出来た。また『カウンティング&クラッキング』については、日本演出者協会により、作者・出演者の証言をまとめた年鑑が本年度中に刊行された。 上記二作以外では、劇団俳優座が上演した、修復的手法を主題とした『対話』(2023年2月)では、観客と出演者にアンケート調査を実施した。修復的司法を扱った同作の先行作品として、2021年に同劇団が上演した『面と向かって』についても、上演時に行った同様のアンケート調査をもとに、分析結果を論文として発表した。『対話』についても、2023年度に分析結果を論文として発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記に述べたとおり、本研究の計画の中心に位置づけた『ヤスキチ・ムラカミ』と『カウンティング&クラッキング』の日本上演、作者とのディスカッションを実施することが出来、さらにそのほかの作品の上演も実現できた。さらに、上演直後のディスカッションがすぐに刊行された。また『面と向かって』上演の分析についての論考を発表した。これらのことにより、研究計画は当初の想定以上に大きく進展したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
『カウンティング&クラッキング』上演によって得られた証言をもとに、同作についての論考を発表する。『対話』上演時に実施したアンケート調査を元にして、同作についての論考をまとめる。2023年途中に予定されている、オーストラリア先住民のストーリーテリングに関わる『闇の河』上演について、観客へのアンケート調査、演出者・出演者へのインタビューを行う。本研究期間中に実現した全上演作品について、その意義、作り手の意図、観客の反応を、論考にまとめる準備を行う。
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