研究課題/領域番号 |
20K00461
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
古村 敏明 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (90632571)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | American Poetry / Ethical Empathy / Multiethnic Comparative / Animal Ethics / Translation Studies / Contemporary Literature / アメリカ現代詩 / 倫理的共感 / 共感の理論化 / 喪失と悲嘆 / 越境的共感性 / 悲嘆と共感 / Empathy / Literature and Ethics |
研究開始時の研究の概要 |
ディプロマポリシーなどにみられる教育目標から精神治療まで、共感は社会的にも人格的にも有用な能力とされてきたが、近年、様相が変わりつつある。真の他者理解に通ずる共感は可能なのか?文学はどのような「倫理的共感」を作りだすことができるのか?これらの問いの探求として、本研究は二つの大戦を経て共感の必要性が再確認された20世紀中盤から、21世紀の現在までの越境的要素を内包するアメリカ詩ー第二次世界大戦の日系人収容所の詩、Robert Lowell の翻訳詩、Sylvia Plath の原爆についての詩、Carolyn Forcheの証言者の詩、2016年大統領選挙後の現代詩、などーを解析する。
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研究成果の概要 |
研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、倫理的共感をテーマとした多民族比較詩学分野の国際共著が、本助成の中心的な成果物となる。助成期間中に研究調査が完了しており、現在執筆が進行していること、及び、2023年に出版社へのアプローチを開始した際の感触などから、1~3年内の刊行が想定される。他の成果としては、派生課題を含む関連課題の論文3件、学会発表9件(うち1件は予定)、学会セッション主催3件(うち1件は予定)、などがある。2020年のパンデミック発生によって申請時当初の計画からいくつか変更点が生じたが、本助成によって生産的な研究活動ができたことを、心より感謝申し上げたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、共感の必要性が再確認された原点である20世紀中盤から、21世紀の現在までのアメリカ詩の軌跡をたどり、「倫理的共感(ethical empathy)」という概念を提示する。本研究の目的は、文学的意義としては、従来の共感の概念の限界を分析し、現代アメリカ詩が体現する、より高い倫理性を持つ共感という概念を解明すること、そして、より普遍的な社会的意義としては ethical empathy がもたらしうる寛容で生きやすい社会の可能性について思索することである。「倫理的共感」を定義し認知することは、tribalism に戻る様相を見せ始めている社会が融和性を復元する可能性を探る手助けになる。
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