研究課題/領域番号 |
20K00466
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
山口 裕之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40244628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ドイツ文学 / トランスレーション・スタディーズ / 翻訳理論 / 翻訳思想 / ドイツ翻訳思想 / ドイツ的 / 世界文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、18世紀後半から20世紀初頭にかけてのドイツ翻訳思想の歴史を、トランスレーション・スタディーズというドイツ研究外部の視点を取り入れることによって分析する。それによって、ドイツのナショナリズム的状況を踏まえた、翻訳に働く文化的力学を可視化することを目指す。このことはまた、近代化の過程においてとりわけドイツを範としてきた日本での翻訳の構造を明らかにする足掛かりともなる。
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研究成果の概要 |
ドイツは、18世紀後半から20世紀前半にかけて、ヨーロッパ内での文化的後進性を意識しながらも、それをナショナリズム的な優越性の意識へと転化させていった。本研究は、このプロセスの中での浮き上がってゆくドイツ翻訳思想の特質を明らかにしようとする試みである。ドイツのさまざまな思想家のテクストには、「異質なもの」を積極的に受け入れ、それによってドイツ語にあらたな力をもたらそうとする考え方が顕著に見られる。そのような翻訳に関する思想は、この時代の「ドイツ的」なものをめぐる言説の展開と分かち難く結びついていることがあらためて浮かび上がってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ドイツ翻訳思想の特質は、これまでドイツ文学研究の内部でのみとりあげられてきたが、それをトランスレーション・スタディーズという外部の議論と交差させることによって、あらたな視点から考察することがこの研究の重要な意義である。この研究は、とりわけ19世紀から20世紀前半に顕著となった「ドイツ的」特質をめぐる意識の問題を翻訳という視点から検討するものでもある。この問題は、日本の近代化の過程で社会的・文化的に模範的な位置にあったドイツ文化受容の問題を考察することにも繋がってゆき、日本文化の展開の研究にとっても重要な意味を持つ。
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