研究課題/領域番号 |
20K00481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
渡邉 浩司 中央大学, 経済学部, 教授 (20278401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 伝記物語 / アーサー王物語 / 中世フランス文学 / 『フロリヤンとフロレット』 / 『クラリスとラリス』 / 『ギヨーム・ド・パレルヌ』 / クレティアン・ド・トロワ / 妖精モルガーヌ / 妖精マドワーヌ |
研究開始時の研究の概要 |
中世フランス文学研究のパイオニアの1人ガストン・パリスは、12世紀後半から13世紀後半にかけて中世フランス語韻文で書かれたアーサー王物語群のうち、トリスタン物語およびクレティアン・ド・トロワが著した5作品以外の作品群を「伝記物語」と「挿話物語」に分類した。本研究ではこのうち「伝記物語」に焦点を当て、パリスがリストアップした本邦ではほぼ未紹介の作品群の全体像の把握に努める。
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研究成果の概要 |
クレティアン・ド・トロワ以降の12世紀後半から13世紀後半に古フランス語韻文で書かれたアーサー王物語群のうち、主人公の誕生(あるいはアーサー王宮廷への出現)から語り始め、主人公を待ち受ける冒険と武勇をたどり、主人公の結婚までを描いた「伝記物語」と呼ばれるジャンルの再評価に努めた。古フランス語による「伝記物語」には約10編の作品が現存するが、本研究ではこのうち、本邦では未紹介にとどまってきた『フロリヤンとフロレット』と『クラリスとラリス』の分析を中心的に行い、先行作品群との比較からその独創性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中世期の英仏フランス語圏で誕生したアーサー王物語群の中で、12世紀後半から13世紀後半にかけて古フランス語韻文で書かれた作品群は、クレティアン・ド・トロワの韻文物語群や、13世紀半ばまでに成立した長大な散文「聖杯物語群」との比較から、独創性を欠いた価値の劣るものと見なされてきた。中世フランス文学研究のパイオニアの1人ガストン・パリスはこうした韻文作品群を筋書きの点から「伝記物語」と「挿話物語」の2つに分類したが、本研究ではこのうちの「伝記物語」の独創性を明らかにすることで、アーサー王伝承が活力を失いつつあった13世紀後半に書かれた作品群の再評価につながる道筋を示すことができた。
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