研究課題/領域番号 |
20K00487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 九州共立大学 |
研究代表者 |
山本 洋一 九州共立大学, 経済学部, 教授 (90268780)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | ヘルマン・ヘッセ / 少年の日の思い出 / クジャクヤママユ / 改作 / 国語教科書 / 受容 / 新解釈 / Global Impact / 国語 / 教科書 / 作品創作変遷 / 国語教材 |
研究開始時の研究の概要 |
ヘルマン・ヘッセの短編『少年の日の思い出』(1931年原題 Jugendgedenken)を、その原点としてのDas Nachtpfauenauge(1911)以降に存在すると言われている複数の改作を発掘し、その変遷と作者の創作上の自己変革のプロセスの関連に依拠しながら分析検証するとともに、わが国で戦後70年以上にわたって国語教材として多くの読者に読まれ続けている同作品の「読み解き方」の実態を、現場教員による教材研究及び学習指導案、さらには実際の授業の参観等を通して調査しつつ、国語教育にも資する新たな解釈の可能性を提起しようとする試みである。
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研究成果の概要 |
『少年の日の思い出』の教育現場での理解の実態調査は、コロナ禍の影響で困難をきたしたが、学習指導案の分析や教員へのインタビューにより、作品理解への多様な工夫と同時に、翻訳文学であることに起因する問題点などを読み解き、研究論文にまとめた。さらに、日本のヘッセ受容の実態を背景とした、同作品の日本人読者へのインパクトとその解釈の可能性について記した共著書の、今年度末英国での刊行も決定している。また、『少年の日の思い出』の原典『クジャクヤママユ』の改作の調査でも、雑誌や新聞のみに掲載されただけの改作を11点発掘し、作者の創造的変革との関連を探るべく、その変遷の詳細な比較検証にも着手している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本の中学校の国語教材として長年読まれてきた『少年の日の思い出』の作品理解の実態を客観化し、場合によってはそこに内在する作品理解の問題点も顕在化させることをひとつの目的としてきたが、いずれの点でも予測に沿った結論を見出すことができた。さら同研究は、同作品の原典『クジャクヤママユ』の諸改作の変遷と作者ヘッセの創造的変革の関連性に依拠した、『少年の日の思い出』の登場人物の性格理解などに関する新たな解釈の可能性にも繋がるものと期待していたが、これも今後の国語の授業構築の一助となりうる、ある程度予想通りの成果が得られたと考えている。
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