研究課題/領域番号 |
20K00493
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
大崎 さやの 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (80646513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ゴルドーニ / 演劇 / オペラ台本 / 伝統 / 古典 / 革新 / 18世紀 / 舞台芸術 / 劇場 / 批評 / イタリア |
研究開始時の研究の概要 |
ゴルドーニは、18世紀、当時イタリアにおいて新しかったブルジョワ向けの喜劇やオペラ・ブッファというジャンルの開拓者であったためか、過去にはその「革新性」について論じられるのが常であった。だが本研究では彼の作品を、先行するヴェネツィアの作家達の作品と比較し、その作品に見られる「伝統」的な要素を探る。そしてゴルドーニが「伝統」的な要素と「革新」的な要素を、その演劇改革を成功させるために、観客に対しどのように戦略的に用いているのかを分析、考察する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、日本18世紀学会大会で共通論題「18世紀の西洋舞台芸術における人種・身体・血」を組織し、自身も発表「ゴルドーニと被征服民 ―南米を扱った二作品を例に」を行い、ゴルドーニの悲喜劇2編における南米の登場人物の描写を分析し、その「革新」面に光をあてた。ローマ開催の国際18世紀学会ではパネルAntiquity and the Others in the Eighteen-th Century Theatreを組織し、自身は発表Goldoni’s works and its historical sources: using descriptions of Asians as a clueで、ゴルドーニが作品創作に、古代の資料と共に18世紀の資料も活かしている点を指摘した。著書『啓蒙期イタリアの演劇改革 ―ゴルドーニの場合』の第28回AICT演劇評論賞受賞記念シンポジウム「シアター・クリティック・ナウ ―新しいメディアと演劇」では、同時受賞の村島彩加氏の著書『舞台の面影 ―演劇写真と役者・写真師』と拙著に共通する、当時の新しいメディアを通した演劇の姿について討論を行った。論考「新たなエウリディーチェの創造 ―カルツァビージの作劇法をめぐって」では、伝統的なオルフェーオ主題の音楽劇におけるエウリディーチェ像の変遷を辿り、カルツァビージによる新たなエウリディーチェ像の創造を作劇法の観点から論じた。共編著『バロック・オペラとギリシア古典』(論創社)を出版し、論考「イピゲネイア主題の18 世紀のオペラ台本ーローマ、ウィーン、ヴェネツィア、ロンドン、パリで上演された台本を例に」で、古典のイピゲネイア主題が各都市のオペラ台本でどのように表象されたか分析を行った。 4年間の研究を通じて、ゴルドーニが古典の形式や題材を活かしながら、革新的な作品を新たに生み出していったことが分かった。
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