研究課題/領域番号 |
20K00494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
岩津 航 金沢大学, 人文学系, 教授 (60507359)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | フランス文学 / ユダヤ系作家 / 神話 / ユダヤ人文学 / 比較文学 / フォンダーヌ / ロマン・ガリ / 第二次大戦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はバンジャマン・フォンダーヌ(Benjamin Fondane, 1898-1944)とロマン・ガリ(Romain Gary, 1914-1980)の作品を通じて、20世紀フランスにおけるユダヤ系亡命文学と神話の関係を明らかにすることを目的とする。東欧で育ちフランス語表現者となった20世紀のユダヤ人作家において、アイデンティティをめぐる想像力が神話を軸に構造化される過程を、文学史的考察を視野に入れたテクスト解釈に基づいて解明するものである。
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研究成果の概要 |
研究期間中は、新型コロナウイルス感染拡大のため、前半期は海外出張が出来なくなり、予定していた文献調査や海外研究者との交流推進は進まなかったが、後半期にはフランスおよびルーマニアでの調査を実施することができた。併せて単著学術論文7本(査読有5本、うちフランス語4本)、学会・シンポジウム発表6件(海外1件を含む)、エッセイ2件、翻訳1件を発表し、フォンダーヌおよびガリに関する研究成果をさまざまな機会に発信することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、第一にフォンダーヌとガリの文学史的文脈を明らかにすることができた。彼らはイディッシュ語文学とルーマニア文学、フランス文学の歴史と切り結びながら、独自の越境を行ってきた。複数の文化圏を横断することで、神話を含む文化的要素のハイブリッドな混合に寄与した。また、オデュッセウス神話を中心とする神話的表象が、両者にとって想像力の構造化に寄与していることを明らかにした。これらの成果を通じて、神話と20世紀のユダヤ系文学者におけるアイデンティティ構築との関係、すなわちヨーロッパ文学史における普遍的な部分と変容する部分を、それぞれ明らかにした。
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