研究課題/領域番号 |
20K00500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
竹岡 健一 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (30216874)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ナチス・ドイツ / 第三帝国 / ベストセラー / 文学空間 / 文学受容 / ナチス時代 / ドイツ文学 |
研究開始時の研究の概要 |
ナチス時代の文学に関するこれまでの研究は、ナチズムのイデオロギーを主な基準とし、ナチスによって禁止または推奨された文学の考察には適していたが、当時の文学受容の実態の解明には不十分であった。 そこで、本研究では、本の刊行数に基づいてナチス時代のベストセラーを突きとめ、それらを詳しく考察することにより、当時のドイツに自由で多様な文学受容の空間があったことを明らかにする。 このような本研究には、ナチス時代の文学に関する常識の見直しを迫り、イデオロギーに捉われない、新しい研究の枠組みを確立することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、本の刊行数に基づいて、ナチス時代のベストセラーの上位100タイトルを選定した上で12のジャンルに分類し、各ジャンルの概要と代表作品を考察した。その結果、100タイトルの4分の3を実用的著作やユーモア文学、娯楽文学といった非イデオロギー的な作品が占めると同時に、反体制的な作家の作品や敵対的な国々の作家の翻訳なども含まれることから、当時のドイツに自由で多様な文学受容の空間があったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ベストセラーという新しい観点を交えて研究することによって、ナチス時代の文学を代表する著作が非イデオロギー的な作品であり、当時のドイツに自由で多様な文学受容の余地があったことを明らかにし、ナチズムと文学のかかわりに関する研究に、これまでの常識にとらわれない新たな局面を切り開いた。これらの成果は、関連する幅広い分野の研究に応用が可能であると同時に、ナチズムという社会的関心の高い問題の論究に資するものである。
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