研究課題/領域番号 |
20K00502
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
|
研究機関 | 札幌大学 |
研究代表者 |
岩本 和久 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (40289715)
|
研究分担者 |
中野 幸男 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (40640800)
宮川 絹代 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (40757366)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ロシア / ソヴィエト / 非公式 / 文学 / 映画 / 狂気 / シニャフスキー / タルコフスキー / 亡命 / 非公式文学 / 亡命文学 |
研究開始時の研究の概要 |
シニャフスキー、ブロツキー、ヴェネジクト・エロフェーエフ、マムレーエフらの著作を分析しながら、ソ連文学における「狂気」の表象の諸相を探り、作家たちの「抵抗」しているものが何かを明らかにする。また、この作業に平行する形で、ソ連の精神医療の諸問題を調査する。 具体的な研究計画としては、文献資料の購入、日本国内やロシアの図書館を利用した文献調査、研究会の開催、学会や国際会議での研究報告を予定している。 2020年度はソ連国内における非公式作家の活動や精神医療の状況について分析する。2021年度は作家の亡命先での活動を分析する。2022年度は非公式作家・亡命作家の作品がソ連後の文学に与えた影響を探る。
|
研究成果の概要 |
本研究では①ソ連の精神医療の歴史、②シニャフスキーにおける狂気の主題、③タルコフスキーの映画に見られる狂気の主題について分析を行い、以下の点を明らかにした。①ソ連の精神医学は社会主義リアリズム文学のモデルに従い診断を行なっていた、②シニャフスキーの裁判では社会主義リアリズムとロシア・フォルマリズムの文学観の違いが論点となっていた、③タルコフスキーの映画に見られる狂気は中世的な神秘的な力と結びついている。ソ連後期の芸術において、狂気は公式文化やイデオロギーからの逸脱として機能していたと言えるだろう。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間内には研究資料の購入と国外における調査を行なった。それによりソヴィエトの非公式文学や映画と社会の関わりについて、改めて検証を行うことができた。研究成果は狂気の主題と社会的イデオロギーの関係を問うものだが、芸術と近代社会の関係を考察する本研究はソヴィエトという特殊な体制を理解するために役立つものではなく、広く近代芸術一般について考える際にも応用できるものである。
|