研究課題/領域番号 |
20K00504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
永井 敦子 上智大学, 文学部, 教授 (50217949)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | モダニズム / シュルレアリスム / 近現代詩 / 第二次世界大戦 / 詩論 / 日本のシュルレアリスム / エグゾチスム / 女性詩人 / 近現代時 / 日本の前衛詩 / フランス文学 |
研究開始時の研究の概要 |
フランスのシュルレアリスム運動からの影響が認められる1920年代後半から40年代初頭の日本の芸術作品、特に詩を主たる分析対象とし、エグゾチスムからの解放をそれらの共通点として掲げ、その要因と表現形態、さらにそれらの作品が当時の日本の詩壇、文壇や美術界、さらに日仏文化交流において占めた位置と意義を解明する。 その解明は特に、①芸術家達のフランス滞在や、日仏の芸術家の交流に関する一次資料の調査に基づく実態解明 ②芸術家や同時代の批評家による評論を主たる資料とする、彼らの思想とその背景の解明 ③詩を中心とする作品分析を通した解明 という三つのアプローチを通じて行い、日仏双方で出版や講演会を開催する。
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研究成果の概要 |
本研究の主たる成果は、下の二点に集約できる。一点目は1920年代後半から40年代前半のシュルレアリスムに影響を受けた詩人の詩及び詩論を網羅的に分析し、それらを日本の近現代詩史に位置づけた上で、彼らのシュルレアリスム受容の特性が、理論重視、参照元の複数性、中央集権的でない活動形態などにあり、その独立的で相対的な姿勢が、欧米の紋切り型の日本イメージからの脱却をも促した点。 二点目は日仏の研究者の協力を得ながら、この時期の日本のシュルレアリスム的な美術・文学作品とその分析を、雑誌の特集号や詩の翻訳アンソロジーの出版、講演を通じてフランスで紹介し、その作品群の多様性や現代性を実証できた点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は下の二点に集約できる。一点目はシュルレアリスムの第二次世界大戦前の受容の例としては西脇順三郎、瀧口修造、北園克衛、左川ちからの作品に関心が集中しがちななかで、他にも多様かつ文学史的・美学的価値の高い作品があることを実証的に示し、特に春山行夫や上田敏雄の詩と詩論の重要性を示したこと。 第二点目は、同時期の日本のモダニズム詩の紹介がこの40年余り停滞しているなか、日仏の専門家の協力も得つつ同時期のシュルレアリスム的な詩や美術を紹介する雑誌の特集号を編纂、さらに翻訳アンソロジーの出版や講演会開催によって詩作品の紹介と分析をフランス語で紹介し、国際的な文化理解の一端を担ったこと。
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