研究課題/領域番号 |
20K00513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2021-2022) 立命館大学 (2020) |
研究代表者 |
橋本 知子 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (60625466)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | フランス文学 / フランス / 文学 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀フランス文学における「幻」の描かれ方を、主に写実主義文学を通して分析し、「幻」という非科学の領域にかかわる事象が、科学を礎石とする写実主義文学において反復されるというその逆説性を明らかにする。また夢や想像力を重視するロマン主義時代の作品における「幻」や、科学性を指向した自然主義時代の作品における「幻」の描出と比較することにより、「幻」という視覚にかかわる事象がことばによってどのように表されているかについて、文学潮流の相違点およびその背後にある思想状況を文献学的に検証する。
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研究成果の概要 |
19世紀フランスの写実主義文学における「幻」の描出を検討するにあたり、同時代科学の諸言説からの文学言説における影響を分析する。と同時に、客観性・現実性を重視する写実主義文学において「幻」という非科学の領域にかかわる事象が重要な主題となっている点について指摘する。また写実主義文学のみならず、それに先行するロマン主義文学、および後続する自然主義文学および象徴主義文学における作品の「幻」の主題についても射程に入れることにより多角的な視野から問題を扱い、異なる文学潮流における「幻」の描出の比較、それぞれの相違点およびその背後にある思想状況を文献学的に検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
写実主義文学における科学言説の影響と、そこには収まりきれない文学表現ならではの描出のあり方を問うことにより、ことばによる不可視の現象の表現形態とその可能性について明らかにした。 フロベールなど写実主義文学と、それに先行するロマン主義、および後続する自然主義文学・象徴主義文学という複数の文学潮流のあいだに通底する「幻」の描出を分析することにより、「幻」というこころのなかに立ち上がる像がいかに反復され、いかに人間の視覚を左右しているかについて、問題提起を行った。
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