研究課題/領域番号 |
20K00516
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
野平 宗弘 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (80711803)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | ベトナム文学 / ベトナム漢文学 / 燕行文学 / 阮攸 / Nguyen Du |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ベトナム文学を代表する詩人の一人として名高い阮攸(グエン・ズー。1765年生-1820年没)の燕行漢詩集(中国への朝貢の道中に詠んだ漢詩を集成したもの)である『北行雑録』に関する文献学的、実証的な基礎的研究を行い、彼が朝貢使節として西暦1813年から1814年にかけて清朝北京に赴いた際に実際に立ち寄り漢詩に詠んだ中国の各地点を確定させ、往復の朝貢ルートを解明することを目指すものである。
|
研究実績の概要 |
本研究は、阮攸の燕行ルートの解明を目的とするもので、その解明のためには、中国で彼が立ち寄ったと推測される場所での現地調査、具体的には、漢詩の内容との対応について調査する必要がある。しかしながら、新型コロナの影響で、まだ中国への渡航規制が厳しかったため、中国現地での朝貢ルートの調査は依然としてできなかった。 ただし、ベトナムへの渡航は容易になったため、ベトナムでの資料収集をおこなうこととし、阮攸の漢詩関連資料の他、他の人物たちの燕行資料を収集し、現在、分析を進めている状態である。現在作業が遅れている阮攸の漢詩集『北行雑録』の日本語訳についても、今後進めていく予定である。 阮攸に関する資料を調査する中で、Maurice Durandの書いたMelanges sur Nguyen Du, 1966の中に、EFEO A.3079という記号の付された『北行雑録』の写本および同記号の『南中雑吟』の記載があるのを今回発見したものの、このEFEO A.3079という資料の所在がまだ不明のままである。これが現在公表されている阮攸の漢詩集と同じ本なのかどうか、フランスでの資料調査も視野に入れ、今後さらなる調査を進めていきたいと考えている。 加えて、ベトナム現地での資料収集では、阮攸の字喃作品「十類衆生祭文」収録経典の複写本を入手することができた。この資料の文献批判と、この資料を通じての阮攸の漢詩と字喃詩に反映された彼の仏教思想の特徴の解明へと繋げていきたいと考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で、中国への渡航が困難で、現地調査ができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナによる中国への渡航の規制が緩和されてきたので、タイミングを見て、中国現地、特に、河南省の岳飛廟へと赴き、阮攸の漢詩に描かれた岳飛像と対比や、ベトナム人が立ち寄った痕跡などを調査したいと考えている。 また、フランス国立図書館に残されている阮攸の漢詩資料についても現地で調査したいと考えている。
|