研究課題/領域番号 |
20K00521
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田辺 欧 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (60243276)
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研究分担者 |
肥後 楽 大阪大学, 社会技術共創研究センター, 特任助教(常勤) (30839056)
當野 能之 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (50587855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 北欧文学 / 社会包摂 / 異文化理解 / 文化普及政策 / 図書館 / 文化事業 / 言語教育 |
研究開始時の研究の概要 |
北欧において文化政策のキータームである「社会包摂」に鑑み、文学の持つ社会包摂的機能に着目し、異文化理解と語学教育との枠組みにおいて考察する。
①多元社会における文学の立ち位置を北欧の社会包摂の実情に照らし合わせて検証する。文学社会学的見地からテクスト分析を行い、文学と文学をめぐるアダプテーションの社会有効性を学際的に考察する。 ②日本における北欧語学教育者の立場から、北欧文学テクストを異文化理解に基づく語学教育の教材として活用できる応用モデルを開発する。 ③大学・社学共創機関と連携しつつ、①と②の研究成果を一般市民にもフィードバックし、日本における新たな北欧文学受容の場を創生することに寄与する。
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研究実績の概要 |
①研究分担者との定期的な研究会: 通年で13回行った。現地調査における調査方法、ヒアリング対象先の選定およびヒアリング内容について検討を重ね、北欧と日本の国際ワークショップの企画準備を進めた。 ②現地における調査を実施: 研究分担者の肥後はフィンランド・エストニアにて現地調査・視察および研究資料の収集にあたった。エストニア児童文学館、フィンランド中央図書館、音楽・演劇博物館を視察し、それぞれの活動内容と、それぞれの場における文学と関連した芸術・文化政策について調査をおこなった。研究代表者の田辺はデンマークにて現地調査、研究資料の収集にあたった。また文学を基盤においた芸術活動を展開する児童演劇者、アンデルセン文学の朗読と合唱を合体させた合唱団の公演企画者に、文学と他の芸術とのコラボに関連するインタビューを行った。 ③文学普及の場である図書館に関わる研究: デンマーク・日本間のオンライン・ワークショップ開催:大阪大学外国学図書館を中継地点にすえ、デンマークで様々な方面から文学の普及活動に関わる専門家にオンライン登壇を依頼し、「デンマークの図書館の機能と、文学を市民に届けるためのさまざまな施策」について話題提供を受けた。本科研研究者と大学図書館司書、また図書館で文学普及に関わるボランティア、文学研究に取り組む学生とが互いの立場から意見を交換し、社会における文学の包摂機能について議論した。また東京子ども図書館における調査・インタビューを行なった。民間図書館として特異な位置を有する東京子ども図書館において、運営活動と活動指針についてインタビューを行い、関連情報の収集を行なった。 ④業績発表に関連しては、本科研の研究目的の一つである、言語教育における異文化理解に関する研究論考、および北欧文学の社会包摂機能に関する論考を当該機関に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来は2023年度で完了する研究課題であったが、2022年春まではコロナ禍のため、海外調査が滞り、2022年度後半は研究代表者の体調不良と2023年度前半における個人的なライフイベントが重なり、研究の進展が阻まれた。また研究分担者の一人が病気療養で休職中であったが、2023年初旬に逝去したため、もろもろの海外調査は2023年度になってようやく実現することとなった。しかしながら、その調査と調査分析およびその成果報告を2023年度中には完了することはできなかったため、科研期間を1年延長した。よって研究の進捗状況は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる本年度は、昨年度実施した様々な研究実績(海外調査、ワークショップ、日本の民間図書館における調査)を振り返り、まだ考察や分析が完了していないものの総括に取り組み、その成果を学会発表あるいは、論文の形で発表することを第一目的にする。また本研究のなかでさらに持続研究が必要な項目を選び取り、さらなる研究課題を立て、新たな科研申請に向けて今後の研究の推進を図る。
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