研究課題/領域番号 |
20K00525
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
堀 まどか 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20586341)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 日本とアメリカ / 詩文芸 / 宗教文化 / 禅仏教 / オリエンタリズム / モダニズム / ジャポニズム / 越境者 / アメリカ / 比較文学 / 佐々木指月 / 野口米次郎 / 海外布教 / 越境 / 諸宗教の融合 / 神秘 / 移民 / 文芸芸術 / 神秘主義 / 詩学と宗教意識 / 比較文学比較文化 / アメリカ霊性思想 / 境界 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本側から国外に向けて発信された禅や仏教に関する宗教の言説、現地での反応、そして渡米した日本人の行動と芸術意識(俳句や禅などを含む芸術論の理念と思想)に対する文学的言説とを多角的に問題にして、日米の資料発掘をし、その分析をおこなうものである。軸とするのは、佐々木指月(詩人・禅の布教者)という多面的な顔をもつ「境界者」の比較文学・比較文化研究の視点からの再評価である。境界文化人の文献を発掘しその活動記録を表現レベルから検証することは、従来の日本近代文学史を再編成することに繋がり、また多文化共生を強いられているグローバル社会構造と新世代の人文学教育に示唆を与える歴史観と視野をみちびく。
|
研究成果の概要 |
佐々木指月とその周辺の渡米経験者の活躍と表現について実態を検証し、日米の詩学と宗教意識の融合と乖離を検証した。20世紀初頭に詩人や芸術家を志した渡米者は、同時代の欧米人がみていた東洋的宗教(仏教や禅、そしてヨガなどの身体を含む哲学など)や神秘主義的志向と密接にかかわって、文芸活動や芸術表現をおこなっていた。それは同時代の日本側で求めていた社会改良論的理念や社会主義理念とも抵触し、日本国内の詩人たちの思想面やモダニズム理論面にすくなからぬ作用を及ぼした。コロナ禍で制限はあったが、佐々木指月のみならず、木村秀雄の実践的布教活動や、愛宮ラサール真備による禅布教についても研究をすすめ、成果発表した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、20世紀初頭の東洋の宗教哲学を下敷きにした芸術文芸の東西の文化交渉史上の実態と意義を解明するための基礎作りとして学術的異義があった。越境文化人たちの活動と存在は、国家と国家の境界で、学術ジャンルの境界で、見過ごされがちであった。このような境界者の文献や活動記録を発掘し、日英両言語の表現レベルから再検証して学際的視点から再評価することは、従来の日本近代文学史を再編成することに繋がる。これはグローバルな社会構造と多文化共生を強いられている21世紀の現在、迅速に求められている作業であり、複雑化する今日のさまざまな課題と新世代の人文学教育に、多くの示唆を与える歴史観と視野を導くものである。
|