研究課題/領域番号 |
20K00555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
青柳 宏 南山大学, 人文学部, 教授 (60212388)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日本語 / 韓国語 / 使役 / 受動 / 補助動詞 / 文法化 / 構造的縮約 / 日韓比較 / 機能範疇 / (ミクロ)パラメター / テ形 / 日韓比較研究 / 適用形 / 動詞連鎖 / 授益形 / Applicative / 授受動詞 / 階層的動詞句仮説 / 使役形態素 / 受動形態素 / 動詞接辞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、Rizzi (1998)に始まる言語地図作製(cartography)プロジェクトの一環として、時制辞(Tense)以下の動詞句の階層性の研究に日韓比較研究から貢献することにある。具体的には、(i) 日本語と韓国語の使役、受動等に関わる動詞接辞の比較検討、(ii) 文法化の観点からの日韓両語の授受動詞の補助動詞化の比較検討を行う。さらに通時的ならびに方言・方言横断的な考察も交えて多角的な観点から日韓両語の動詞句の階層性を究明し、一般言語理論に貢献しようというのが本研究の狙いである。
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研究成果の概要 |
日韓語はいずれも主要部後置型の膠着言語であり、動詞に補助動詞や接辞を下接させることで様々な意味を表うるという共通点がある。しかし、日本語で使役のサセと受動のラレが分化しているのに対して韓国語ではこれらが同形であり、1つの動詞語幹に1つの接辞しか許されず、従って、日本語のように使役・受動文(例:ネコが太郎にネズミを食べさせられた)が存在しないので、韓国語は日本語ほど文法化が進んでいないようにみえる。ところが、前近代ソウル方言や慶尚道方言等をみると、1つの動詞に複数の接辞が接続した時代があったことは確実で、その後中央語で統語的な縮約が起こったために、現代韓国標準語のような姿になったと推測される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代韓国標準語においては、(i)受動接辞が使役接辞と同形であり、(ii)一つの語幹には一つの接辞しか付加せず、(iii)本動詞から補助動詞に文法化したものが限られている、ことから韓国語における文法化の程度は日本語より低いとみられがちである。本研究は、(i)と(ii)については、前近代韓国語や慶尚道方言等を参照すると、韓国語にも二重接辞が許された時代があったことは確実で、Voice-Cause bundlingという構造的縮約現象を経て、(i)使役から受動が派生すると同時に(ii)二重接辞が折り畳まれて単純化したという可能性を初めて示唆した。ただし、(iii)に関する全容解明は今後の課題である。
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