研究課題/領域番号 |
20K00556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
梶 茂樹 京都産業大学, 総合学術研究所, 科研費研究員 (10134751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Kiga語 / Ankore語 / 語彙集 / 声調 / バンツー系 / ウガンダ / ニョロ語 / チガ語 / アンコレ語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現地調査によりデータを収集することにより、アフリカ・ウガンダ西部に話される一連のバンツー系諸語の声調の通時的変化を研究する。ウガンダ西部には、ニョロ語、トーロ語、アンコレ語、チガ語などの言語が話されている。これらの言語は系統的に近く、文法も語彙もお互いよく似ている。しかしながら、その声調体系は大きく異なる。なぜか。そして、どの様にそれぞれが発展してきたかを通時的に跡付けることは言語の歴史研究にとって大きな意味を有する。
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研究実績の概要 |
ウガンダ西部に話されるNyoro語、Tooro語、Ankore語、Kiga語のうち唯一調査の終わっていなかったKiga語を集中的に調査し、その語彙集を完成させた。Kiga 語にも辞書・語彙集はあるが、それはKiga 語の北に話されるAnkore語との共通辞書・語彙集で、Ankore語をベースに編まれている。本語彙集はKiga 語のみを扱った唯一のものである。Kiga 語とAnkore語は似てはいるが同じではない。例えば「頭」は共通正書法でomutweと書き、Ankore語の発音はほぼ正書法通りの [omu{twe] であるが Kiga 語では[omu{tkwe] である。また「犬」は共通正書法でembwaと書き Ankore語では [e{mbwa] と発音するが Kiga 語では [e{mga] となる。Kiga 語ではいずれも半母音wによる先行子音の軟口蓋化が行われ、場合によっては発音は正書法から大きく乖離する。しかしこういったことは共通正書法には反映されない。既存のAnkore=Kiga語辞書・語彙集はKiga 語の特徴を無視するか、単に変異として扱うのみでKiga語に正面から向き合っていない。この語彙集により、Kiga語とAnkore語には単に分節音のみならず、声調面でも違いがあることが明らかになった。Ankore語の声調パターンはn+1(nは語幹の音節数)であるが、Kiga 語はn+1+αである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスによる旅行制限が解除されたため、現地調査が可能となりインフォーマント調査がを十分行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
Kiga語の動詞活用、特にその声調の働きを現地調査により精査すると同時に、まとめとしてNyoro語、Tooro語、Ankore語、Kiga語の声調の歴史的展開について考察する。
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