研究課題/領域番号 |
20K00558
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
須賀井 義教 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60454641)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 朝鮮語史 / コーパス / 形態素解析 / 計量的分析 / TEIガイドライン / TEI / 言語学 / コーパス言語学 / 朝鮮語学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は15 世紀の朝鮮語文献,特に仏教諺解について形態素解析を行い,コーパスとして構築することを目的とする.形態素解析においては,形態素解析エンジン「MeCab」(めかぶ)を用いる.本研究では15 世紀朝鮮語文献のうち,仏教諺解の『月印釈譜』(1459年刊)および『法華経諺解』(1463 年刊)をコーパス化の対象とする.この過程で作成されるコーパスデータや解析用辞書については,広く今後の朝鮮語史研究に資するべく,インターネットを通じて公開する.本研究を通じて公開されるデータや検索ツールなどによって,朝鮮語情報処理の質的向上ならびに朝鮮語史研究の新たな展開に寄与することを目指す.
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研究実績の概要 |
計画の最終年度である令和5年度には,MeCab(めかぶ)向けの15世紀朝鮮語形態素解析用辞書である「MkHanDic」に,引き続いて辞書項目の追加を行った.文献としては『月印釈譜』巻7の本文と注釈について分析を行い,漏れのある項目を解析用辞書に追加して,さらに解析用辞書の再構築を行った.最終的な辞書項目数は10023項目で,学習用データは3080文である.解析用辞書と学習用モデルについては,GitHubを通じてオープンソースソフトウェアとして公開を行った.研究期間の全体を通じて,学習データとして『釈譜詳節』巻6・9・13・19・20・21・23・24の本文と注釈,『月印釈譜』巻1・2・7の本文と巻7の注釈,『阿弥陀経諺解』の本文と注釈,『金剛経諺解』の本文,『三綱行実図』の本文と注釈を,最終的に含めることができた. 解析の精度について,やはり同音異義語の判定に問題があるものの,形態素の切り出しと品詞付与については高い精度を見せた.辞書の項目数もかなり増やすことができ,今後他の文献について解析を行う際にも,十分使用に耐えうると見受けられる. また,形態素解析を行う前段階の作業として,TEI(Text Encoding Initiative)ガイドラインを用いた電子データの整備も行った.TEIガイドラインを用いることで,本文と注釈の区別などをテキストデータに盛り込むことができるため,データ抽出の際の便宜を向上させることできた.最終的に,『釈譜詳節』巻6・9・13・19・20・21・23・24,『月印釈譜』巻1・2・7・8・9・10,『阿弥陀経諺解』,『金剛経諺解』,『三綱行実図』のデータ整備が完了した.
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