研究課題/領域番号 |
20K00565
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邊 淳也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20349210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | モダリティ / フランス語 / ロマンス諸語 / ポリフォニー / 日本語 / 認知モード / 語用論化 |
研究開始時の研究の概要 |
発話行為を介して、言語にとって根幹的な役割を果たしているモダリティを、これまで十分には関連づけられてこなかった多様な文法カテゴリーにわたって横断的に分析することにより、いっそう深く探求することをめざす。
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研究実績の概要 |
2023年度は大きくわけて5つの方面で研究をすすめた。下記でとくに断りのない場合は渡邊の単著である。 第1に、フランス語ならびにロマンス諸語の叙法のひとつである条件法に関する記述的研究である。2023年4月のフランス語学会第342回例会でフランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語の条件法について対照研究を発表した。 第2に、第1としてあげた条件法とも形態論的・意味論的にかかわりの深い未来諸時制についての研究をすすめた。フランス語とコルシカ語の未来諸時制の対照研究を提示した査読つき論文が日本ロマンス語学会の学会誌『ロマンス語研究』第56号に掲載された。また、前年度につづいて考察を深め、2024年3月のTAME研究会にて、コルシカ語の未来諸時制についての(前年度までの記述的研究をふまえた)理論的考察を発表した。その後論文も執筆し、2024年度に公刊予定である。 第3に、機能的形態素の研究に資するところの大きい構築主義意味論 se'mantique constructiviste の潮流について、2023年6月に国際シンポジウムApproches e'nonciatives de la polyse'mieで発表し、12月に査読つき論文として刊行された。一方、2023年5月の日本ロマンス語学会第61回大会では宮腰駿と共同で理論的考察を発表した。その後論文も執筆し、2024年度に公刊予定である。 第4に、フランス語の文副詞franchementの用法と機能に関して、2023年9月の日本フランス語学会第344回例会では宮腰駿と共同で発表した。論文化も予定している。 第5に、コルシカ島において調査をおこない、消滅の危機に瀕する言語であるコルシカ語の慣用を記録に残そうとつとめた。2024年4月に論文が公刊された (本報告書の対象期間外のため業績には記入していない)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
発表5件、査読つき論文2件を発表したほか、2023年8~9月にコルシカで調査をおこない、その成果を論文化した(この件については、2024年4月に論文が公刊されたが、本報告書の対象期間外のため業績欄には記入していない)。 フランス語ならびにロマンス諸語に関する対照研究は先行研究が少なく、記述レヴェルからすでに価値があると考えている。なかでも、ユネスコが消滅の危機に瀕する言語として指定しているコルシカ語に関する研究は、言語の保全にむけての意義がある。ある言語が万一絶滅するなら、その言語で表現される膨大な文化的遺産が失われることになるため、これを回避するためにも、当該言語を研究することは有益であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はこの研究課題の最終年度であるため、これまでの研究を総括するような意義のある研究をすすめたい。具体的には、フランス語ならびにロマンス諸語の叙法、時制についての理論的研究をまとめ、論文集を編集、公刊したい。さらに、文副詞などの関連分野についても成果公刊を予定している。
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