• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

トルコ語ならびにアルタイ型言語における通音声学研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00581
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関大東文化大学

研究代表者

福盛 貴弘  大東文化大学, 外国語学部, 教授 (00407644)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2022年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード数字のアクセント / 複合語アクセント / 日本語大阪方言 / トルコ語 / 発話速度 / ポーズ / ニュース / 日本語 / トルコ諸語 / 音節構造 / 2子音連結 / トルクメン語 / プロソディー / 音声学
研究開始時の研究の概要

これまで取り組んできたトルコ語、トルクメン語の音声分析をもとに、トルコ諸語におけるアクセントとイントネーションの精査、アルタイ型言語における音調ならびに韻律節の連続性と相違性を明らかにしようとしている。アクセントについては、位置の指定が音節構造と密接にかかわるため、音素配列からの位置が予測できるかの精査を行なう。また、トルクメン語のアクセントの弱化については、音響音声学的分析によって、更なる実体を捉えていく。

研究実績の概要

アルタイ型言語のアクセント研究の一環として、高さアクセントとして部分的に類似したアクセント体系を持つトルコ語と日本語大阪方言のアクセントについての研究を行なった。今年度は、大阪方言における数字を発音する際、1桁から8桁までの非負整数としての0を含んだ自然数のアクセントにどのような規則があるのかについて分析した。1~10、10~90、100~900、1,000~9,000、10,000~90,000、100,000~900,000、1,000,000~9,000,000、10,000,000~90,000,000における単独形を示したうえで、端数が付いた場合の規則性を示した。いくつか例示しておく。11~19の単独形は、10は単独形では低起式であるが、一の位が加わると高起式平板型であるH0になる。ただし、13と15は例外で、高起式頭高型のH1になる。同じく単独形が低起式である30については、そのままの型を保ち、後ろに一の位がついてもL2のままである。21~29、41~49、91~99のように単独形が高起式頭高型H1のものについては、十の位の単独形のアクセントは変わらず、後ろに一の位を付け加えるだけになる。ただし、51~59については、11~19の規則が適用される。一方で、同じ高起式でも単独形がH2である60、70、80の場合は、H0になるため、11~19の規則が適用される。
トルコ語には高起式はなく低起式になるので、式に関する対立はない。ただし、複合語規則において、端数が付いた数字における下がり目の指定がどのようになっているかを導き出すために、より複雑な体系を扱っておいた方が考えやすいので、この分析を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トルコ語のアクセントについては、これまで強さアクセントとしてストレスがどのように移動するかという分析が主流であったが、音声学的ストレスの実態がなく、高低変化の位置で捉えた方が適切な分析となるため、高さアクセントによる分析が必要である。
複合語アクセントについては、長くなってくると、アクセント境界によって下がり目を指定する位置が変わることがある。その分析を行なうために、より複雑な仕組みである大阪方言の数字のアクセント分析を行なった。これは同じ日本語でも東京方言では対照の対象にならない点からも、重要な分析となる。より複雑な体系の概要が明らかになったため、部分的に一致したトルコ語のアクセントが分析しやすくなったから、進捗状況は良好だと言える。

今後の研究の推進方策

トルコ語の例外アクセントの全容を明らかにするために、その規則性ならびに規則はそうであるが話している実態がどうなっているかを調査する必要がある。数字のアクセントによる複合規則の解明は、そのためには欠かせない分析となる。また、トルコ諸語オグズ語群という同じくくりであっても、トルクメン語の数字のアクセントについては、トルコ語と異なり下がり目の位置指定がないことを観察している。この違いは、日本語における式音調を持つ京阪アクセントと、それが単純化したN系アクセントとの違いに類似するものである。両者が同一祖語にたどりつく可能性はかなり低いが、系統が異なる言語で類似したアクセントの特徴をもっているということを示していくのが、今後の課題となる。
また、接辞がもつ例外アクセントについても、規則と発話実態が異なるものがあることが若干ながら観察できている。この点も、順に解き明かしていくことが課題となる。

報告書

(3件)
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 大阪方言における数字のアクセント:自然数の1桁から8桁まで2023

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 雑誌名

      語学教育研究論叢

      巻: 40 ページ: 115-130

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ニュースにおける発話速度の日ト対照研究 ―2020年の計測結果をもとに―2022

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 雑誌名

      語学教育研究論叢

      巻: 39 ページ: 109-121

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] トルクメニスタンと日本の教育交流 ―日本語で書かれた『トルクメン語入門』がトルクメニスタンに与えた影響―2021

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 雑誌名

      大東文化大学紀要(人文科学)

      巻: 59 ページ: 179-192

    • NAID

      120007163912

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] トルコ諸語における音節構造の対照研究2020

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 雑誌名

      一般言語学論叢

      巻: 23 ページ: 1-75

    • NAID

      120007188745

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] トルクメン語母語話者が日本語のキツツキ文を発した場合のナゾメータ検査におけるケーススタディ2023

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 学会等名
      第15回実験言語学研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] トルコ語の Iyor のアクセントはいつも実現するわけではない2022

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 学会等名
      第14回実験言語学研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] トルコ語の音調について2021

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 学会等名
      日本実験言語学会第14回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] トルクメン語の歯擦音と歯摩擦音の音響解析2021

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘
    • 学会等名
      第13回実験言語学研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] トルクメン語入門テキスト2023

    • 著者名/発表者名
      福盛貴弘・竹内和夫・奥真裕
    • 総ページ数
      148
    • 出版者
      大東文化大学語学教育研究所
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 福盛貴弘の楽屋

    • URL

      http://fukumori.nomaki.jp/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書 2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi