研究課題/領域番号 |
20K00583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大矢 政徳 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (60318748)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 依存文法 / 日英対訳コーパス / 依存距離 / 対訳コーパス / 概念密度 / 日英パラレルコーパス / Dependency Grammar / Parallel Corpus / Network analysis / Centrality measures / 英語コーパス / 自然言語処理 / 談話情報 / 自然言語推論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、言語学的に動機づけられた自然言語処理研究の試みの一つとして、依存文法(Dependency Grammar)の枠組を利用してテキスト中の複数の文の相互関係を可視化した英語 コーパス構築と、これを利用した自然言語推論システム構築を目的とする。 テキストを構成する文どうしの関係を各文中の単語間の関係で表現すること によって、依存文法と概念的には同一の形式でテキストの談話構造を明示化することに寄与 するのみならず、文と文とに矛盾関係が生じている場合も研究対象とすることによって、従 来のRSTよりも汎用性と粒度の双方が高い談話構造表示形式を構築することが期待される。
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研究成果の概要 |
日英対訳コーパスを依存文法の枠組みで構文解析した結果をもとにして各文の構造的特性と日英語間の構造上の一般的な差異に注目する過程で、依存距離へと研究テーマが移行し、これに注目した研究発表を行い、各種学術雑誌に論文を投稿した。特に、依存距離の頻度分布が言語横断的に特定の分布に一致するという知見や、英語学習者が算出した英文の平均依存距離がその学習到達度によって異なる、といった当初の研究テーマを超えた知見が得られた。最終年度においては、従来注目されてこなかった、平均よりはるかに長い依存距離をもつ依存関係が、日英語間で大きな差異を見せることを発見し、新しい研究テーマの開拓につながったことは特筆に値する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語と英語の統語構造を依存構造の枠組みで明示し、その構造特性を依存距離という数値で表現しかつ比較対照することによって、これら2言語の構造的差異を従来より客観的に把握することが可能になる。さらに、日本人英語学習者が産出する英文の平均依存距離が学習者の熟達度に応じて変化するといった知見は今後の英語教育への応用可能性を秘めている。
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