研究課題/領域番号 |
20K00601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 さとみ お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60347127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 意味論 / プロソディ / 中国語 / 副詞 / 言語学 / 焦点 / 話題 |
研究開始時の研究の概要 |
プロソディは、焦点の研究においては必ず言及されてきたが、近年では、対比話題を表す、文法性の判断に影響するなどが報告され、その研究の重要性は増している。一方、異なる言語はそれぞれ固有のプロソディを持つため、通言語間の比較は難しかった。本研究は、焦点や対比話題の解釈に影響を与えるプロソディ特徴が、声調言語である中国語でどう具現化されるのかを検証する。最初の2年間で焦点および対比話題のプロソディを明らかにし、成果を踏まえて、最終年度には、中国語におけるプロソディ規則を提案することにより、プロソディ規則の遵守が文法の容認度の向上に影響することを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、中国語を取り上げ、プロソディが意味解釈に与える影響を明らかにした。音声のピッチ、持続時間、強さなどで表される文のプロソディは、焦点や話題等の情報構造を示す手段であることはよく指摘されてきた。本研究では、意味の弁別素性としてのピッチを使用する声調言語における、情報構造の示され方を、対比話題を表す副詞“可”を対象に調査し、最も普遍的な具現化は音声の持続時間の伸長にあることを明らかにすると同時に、その意味論を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、プロソディと意味論がどのように関連するかを示した点にある。声調言語におけるプロソディと情報構造の関係については、焦点の概念の音声的具現化を中心に、中国大陸で研究がある。だが、対比話題を示すと思われる副詞“可”については、意味が複雑であることから、研究されたことがなかった。本研究では、この副詞の意味論を形式的に定義することで、プロソディとの関連を明らかにしたことと、中国語の円滑なコミュニケーションを促進する結果を得られたことに意義がある。
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