研究課題/領域番号 |
20K00603
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 関西外国語大学 (2023) 名古屋大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
堀江 薫 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (70181526)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 相対名詞 / 名詞修飾節 / 語用論 / 日韓語対照研究 / 推論 / 中国語 / アルメニア語 / 寺村秀夫 / 比較類型論 / 日本語 / 韓国語 / 言語類型論 / 語用論的推論 / 日韓語 / 相対補充 / 日韓対照言語学 / 機能主義言語学 / 文法と語用論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「右・左・隣・前・後(うしろ、あと)」のような「相対名詞」を主要部とする、いわゆる「相対補充」(寺村1992)の名詞修飾節において「[山田さんが座っている](席の)隣」のように( )の部分が語用論的推論によって語用論的に補充される現象に着目し、このような語用論的補充現象が日韓語、クメール語、アルメニア語においてどの程度観察されるかを言語類型論と語用論の知見を援用して明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、寺村秀夫氏が提唱した「相対補充」タイプの名詞修飾節に着目し、「(Xの)後ろ」「(Y日の)朝」「(Zの)原因」「(Zの)結果」のような空間・時間・因果的相対性を表す「相対名詞」を主要部とする名詞修飾節を対象として、「文法と語用論がどのようにその境界を確定しているか」というリサーチクエスチョンを探究した。日韓語に中国語・アルメニア語を加えた通言語的な比較の結果、日本語では「[花子が座っている](席の)後ろ」の「(席の)」という基準名詞が省略されているのにもかかわらず、語用論的推論でその解釈を補っているのに対して、他の言語はそのような推論による補填が制限されていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、「文法と語用論の境界の線引きをどのように行うか」という点に関して興味深い言語間のバリエーションが見られることが明らかになった。具体的には、日本語は相対名詞を主要部とする名詞修飾節において、「文子が座っている(席の)後ろ」の「(席の)」のような基準名詞が省略されていても推論によって補充できるのに対して、文法的に類似点の多い韓国語においては「席(の)」のような基準名詞が推論によって補填されにくく言語的に明示される傾向が高いことが明らかになった。中国語は日韓語よりもさらにこのような構造に対する容認性の制限が強いこと、アルメニア語はこのような構造への容認性がかなり高いことも分かった。
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